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ボクたちはみんな大人になれなかった 燃え殻 新潮社

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Twitterで評判が良さそうだったので読んでみた。好き嫌いはともかく、おっさんホイホイ的作品だと思う。

読みはじめて思ったのは「フォレスト・ガンプの方式と同じだよね」ってこと。

歴史(時事)と合わせて1人の人間の人生が進んでいく方式。

恐らく、同じ時を生きてきた人達ならそれだけで「あ~。そうそう。懐かしい~」ってなっちゃうアレだ。

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ボクたちはみんな大人になれなかった

それは人生でたった一人、ボクが自分より好きになったひとの名前だ。

気が付けば親指は友達リクエストを送信していて、90年代の渋谷でふたりぼっち、世界の終わりへのカウントダウンを聴いた日々が甦る。彼女だけがボクのことを認めてくれた。本当に大好きだった。

過去と現在を SNS がつなぐ、切なさ新時代の大人泣きラブ・ストーリー。

アマゾンより引用

感想

この作品。主人公は独身43歳の男性。たぶん男性が読んだ方が面白いんじゃないかと思う。

かつて付き合っていた恋人の事を反芻するような物語で「上書き保存」の恋をするタイプの女性にはちょっとツマラナイかも知れない。

かく言う私も少々キツかった。「面白くない」ってほどでもないのだけれど、イマイチ良さが分からないと言うか。

要するに43歳の男性(業界人)が若かりし恋を振り返るお話なのだ。

彼と同じ時代に生きてきた人達には懐かしい描写がたくさん出てくる。それはそれで悪くないとは思うのだけど、小説として考えるとどうなんだろうな…と言う疑問が残る。

時代背景を活かした小説は世の中に沢山あるけれど、肝心の物語よりも背景の方が立ってくると時間が経った時に面白さが半減してしまうのではないかと思うのだ。

そして何より私がこの作品をイマイチ好きになれなかったのは主人公の恋に共感出来なかったからだと思う。

主人公は恋人の事を「最愛のブス」と表現しているけれど「最愛の」と言えるほど愛していたのかが伝わってこないのだ。

「愛情」ではなく「執着」ではなかったのか…と思ってしまった。「本当に大切なものはちゃんと大切にておけよ」って話だ。

別れてから未練たらたらやられても、女の目から見ると「はぁぁっ?」って気持ちになってしまう。

私はいまいち楽しめなかったのだけど、男性が読むと感想が違ってくるかも知れないな…とは思う。

「オッサン」と呼ばれる年代で気になる方はチャレンジして戴きたい。ただし、面白さについては保証は致しかねますので悪しからず。

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