娘が大学に入学して約2か月、ようやく生活パターンが整ってきた。娘は大阪では進学校と言われるような公立高校に入学。「国公立を受験しない人間には人権がない」という空気の中で、私学しか受験しなかった。しかも1校しか受験することなく、関西では「まぁまぁやね」と言われる私大(関西大学)に入学した。
娘は小学生の頃は運動に全振りしていて、中学生の頃は勉強に全振り、そして混沌とした高校時代を経て再び運動に全振りしている。そもそも娘は生まれた時から無駄に体力が有り余っている子だったので、運動全振りに戻ってきたのは彼女にとって健やかな選択だと思っている。
娘は「関大の体操部に入りたい」という理由で関西大学を選んだので「正直、よほど興味のない勉強でなければ、学部はどこでも良かった」とのこと。結局、社会学部を選んだけれど決め手は「体操部専用の体育館があるキャンパスで最寄り駅から校舎が1番近い」と、恐ろしく意識が低い。
私。何度も書いているけれど根っからの陰キャ系ヲタクなので、体育会系の世界や価値観とは1ミリも相容れないのだけど、娘の大学生活を見ていると発見と言うか気付きのようなことが多い。
周囲の人に娘のことを話すと「ガチ体育会系じゃないですか。就職活動に有利でいいじゃない」と言ってくれる人がチラホラいたのだけど、娘の大学生活……特に部活がらみの話を聞いていると「確かになぁ」と思うところがある。
大学のサークルとガチ体育会系の部活とでは大きな隔たりがあるとは聞いていたし、先輩父母から話を聞くことはあったけれど、大学の体育会系は大変なのだと実感している。「最近は昔と比べてマイルドになった」とのことだけど、それでも厳しい空気がある。
娘が高校時代、体操部の顧問に「体操部に入りたいから関大に行きたいです」と相談した時に「関大の体操部? お前、どんなとこか分かってるのか? 公立高校の体操部とは違うんだぞ」と引き留められた理由を理解した。
細かいルールや風習を書くとキリがないので割愛するけれど、要するに体育会系の大学生達は「プレ社会人」みたいな扱いを受けることになる。上下関係は厳しいし、礼儀にうるさい。「それって理不尽ですよね?」みたいなこともある。横の繋がりだって重要になってくる。小中高校時代ならありえなかった世界だ。とは言うものの、それらの事はどれもこれも一般企業に入ったら「まぁ…そういうこともあるよね」くらいの話でしかない。
そんな世界で揉まれてきた大学生を欲しがる企業が多い……ってのはめちゃめちゃ分かる!
体育会系の部活の世界観の中で「社会人ごっこ」を経験してきた大学生なら、手取り足取り教えなくても、まあまあ仕上がった状態で入社してくれるのだ。私が自分の部下を採用するなら「使いやすい子がいいな」とか「育てやすそうな子がいいな」と思ってしまうから。
体育会系の部活には正直「古き悪しき昭和の風習」が残っていたりもするので、手放しで「素晴らしい」と褒め称える気持ちにはなれないのだけど、あの世界をくぐり抜けることができたら人として成長するし強くなると思う。
令和の時代はとかく「頑張らなくてもいいんだよ」な風潮が強くて、私の職場でも「昔の価値観だったらありえないな」と思うほどメンタル病んだり、潰れてしまう人が多い。この傾向って私の職場だけかと思っていたら、そうでもないらしく夫の職場でも友達の職場でも似たようなことが起こっているみたい。配慮に配慮を重ねた優しい世界で学校時代を過ごしてきた子ども達が大人になって社会に放り込まれたら、そうなるのも当たり前よね……って話。
理屈だけで語るなら「大人の社会も配慮に配慮を重ねた優しく働きやすい世界であるべきだ」って話だけど、少子高齢化が進んでいて人材不足の昨今で、それを実現するのは難しい。
根っからの陰キャ系ヲタクの私。昔から「体育会系の大学生は就職活動に有利」って話は聞いていたけど、失礼ながら心のどこかに「筋肉ゴリラに何ができるんだよ?」みたいな気持ちがあった。だけど、それは大間違いだった……ってことに気がついた。
娘はまだ大学に入学したばかりなので体育会系の世界で4年間、頑張り通せるかどうかは激しく謎だけど、あれほど熱望していた世界なのでやり切って欲しいと思う。



