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暁星 湊かなえ 双葉社

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安倍晋三元首相銃撃事件をモデルにした(と思われる)小説。ルポルタージュではなく、作者である湊かなえが書いた創作である…ってことを理解した上で読む必要がある。「安倍晋三元首相銃撃事件にヒントを得た」ってところだろうか。

実際にあった事件と似たような設定がありつつも違うところが多い。読者は「作り物である」と思って読む必要があるけれど、勘違いする人もいそうだなぁ~と心配してみたり。もっとも、作者も編集側もそのリスクは承知の上での出版だと思うのだけど。

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暁星

ザックリとこんな内容
  • 全国高校生総合文化祭の式典中、現役の文部科学大臣であり作家でもある清水義之が舞台袖から飛び出した男に刺され死亡する事件が起こった。
  • 逮捕された永瀬暁は獄中で週刊誌に手記を寄せ、自らの過去や清水と深く関わるとされる新興宗教への恨みを表明。
  • 一方で式典に居合わせた作家・金谷灯里は同事件を題材にフィクションとして小説を書く。
  • 真実の手記と作家の創作が重なり合うことで真実が浮かび上がる

感想

湊かなえと言うとイヤミスの人…ってイメージが強い。どれを読んでも読後に嫌な気分になるし「うわぁぁぁ」と頭を抱えてしまう感じ。前回読んだ『山女日記』は例外中の例外だったと思う。

なので今回の『暁星』も「絶対に嫌な気分になるヤツだ…覚悟して読もう」と挑んだのだけど拍子抜けした。ミステリ要素がありつつもどちらかと言うと恋愛小説寄りの作品なので、良くない言い方だけど女性ウケしそう。少女漫画的と言うべきか。

だけど私は「恋愛要素はいらなかったのでは?」と思ってしまった。事件の悲惨さがマイルドになっちゃってる。

『暁星』は政治と宗教の問題だけでなく小説家と創作というテーマも描いていて、読みごたえのある作品に仕上がっているのだけど、湊かなえの毒がなくて肩透かしを食らったような気持ちになってしまった。

「精神的に繋がった孤独な男女」が1つの悪に立ち向かっていく…みたいなテーマって東野圭吾の『白夜行』みたいだなぁ~と思ってしまったし、さらに言うなら白夜行っぽい小説って『白夜行』以降、ちょくちょく見掛けるので新鮮味がなかった。

それはそれとして。新興宗教描き方はリアルだなぁ~と思ったし、ラストも納得のいくものだった。個人的には「湊かなえにしてマイルド過ぎて物足りない」と思ったのだけど、読みやすく仕上がっているとも言えるので、これはこれでアリなのかも知れない。

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