丸山正樹の作品を読むのは今回で2冊目。初めて読んだ『デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士』は好きだったけど、今回の作品は胸クソ悪かった。そもそも『夫よ、死んでくれないか』なんて言う、煽り度マックス!みたいなタイトルが付いている時点で予想しておくべきだった。
1冊目の印象が良かっただけに「題名はアレだけど、フタを開けてみれば…ってパターンかも知れないし」なんて思った私が馬鹿だった。
夫よ、死んでくれないか
- 大学の同級生だった麻矢、璃子、友里香の3人は、三十代半ばで璃子の離婚騒動をきっかけに再会し「うちの夫、死んでくれないかしら」と愚痴る日々を送っていた。
- ある日、麻矢の夫が突然姿を消し、会社も無断欠勤状態に。夫の行方や身に起こった出来事を追う中、3人の友情に亀裂が生じ始める。
- 友里香はモラハラ夫とのトラブルで夫を突き飛ばし、意識を失った夫を殺害しようとするが、夫が目を覚ます。3人は病院へ運ぶ決断をする。
- 夫の失踪や浮気疑惑、友里香の事件が絡み合い……
感想
大変申し訳ないけれど登場人物に寄り添うことが出来なかった。たぶん私はこの作品に登場する女性とは誰一人として気が合わないのだと思う。率直に言って友達にはなれそうにない。同僚だったら仕方なく付き合うかな(ただし勤務時間のみ)って感じ。
シンプルに疑問なんだけど「死んでくれ」と思うような夫なら離婚すれば良いのに、どうして離婚しないんだろうか?
専業主婦の女性の場合、たいてい「生活力が無いから仕方ない」みたいなことを言うけれど日本の社会は一文無しの女性を放置したりはしないのだ。ちゃんと手続きを踏んで役所に駆け込めば子どもと共に生きていくためのルートを確保してくれる。
「世の既婚男性達は気をつけてね」みたいなメッセージが含まれているのかも知れないけれど、私の周囲にいる既婚女性は夫婦仲の良い人が多いので「アレが日本の既婚男性のテンプレって訳じゃないでしょ?」みたいな気持ちになってしまった。
あとドンデン返しのオチについても「あ~そうですね~馬鹿な女性にありがちな展開ですよね~(棒)」みたいな気持ちになってしまった。一言で感想を書くとするら「女性を舐めてんじゃねぇよ」だ。
だってこの作品に登場する女性って馬鹿で浅はかなんだもの。さらに言うなら自分のことを棚に上げて周囲に文句ばかり撒き散らしていて性格が悪過ぎる。この作品に出てくる事象を結婚、あるいは女性のテンプレだと思われるのは甚だ迷惑だしネガティヴキャンペーンが過ぎる。
なかなかの壁本だった。歩いていて上からカラスのウンコが降ってきたのだと思って諦めることにする。



