黄金週間初日。家族で宝塚歌劇を観に行ってきた。
私は独身時代から宝塚歌劇は嗜み程度に好きだけど、娘は今まで宝塚歌劇に興味が無かった。娘が宝塚歌劇に興味を持ったのは宝塚音楽学校に在籍する少女達の青春を描いた『かげきしょうじょ!!』と言う漫画にハマったから。
「私も宝塚歌劇を観てみたい」と言っていたのだけど、高校受験に突入して宝塚歌劇どころではなく「受験が終わったら観に行こうね」と言っていたのをようやく実現することが出来た…って流れ。
そもそもだけど宝塚歌劇のチケットって確保するのが難しいのだ。平日だったり、1人だったりするとギリギリのタイミングでも手に入れることが出来たりするのだけれど「家族3人で」となると、そうもいかない。何度か撃沈して諦めていたところ、ダメ元で申し込んだキャンセル待ちの枠が回ってきて観劇出来ることになった。
宝塚欲張りセット
あらかじめ娘には「宝塚でやっておきたい事があれば自分で考えなさい」と言っておいた。そんな娘が「やりたい」と言ったのはこの3つ。
- 『ルマン』でサンドウィッチを食べる
- ステージスタジオで宝塚の衣装を着て写真撮影
- 公演デザートを食べる
……と言う事で、15時半からの公演だったのだけど、お昼にルマンでサンドウィッチを食べ、ステージスタジオで写真を撮ってもらってから観劇することになった。公演デザートは幕間の休憩時間のオヤツを食べる計画。
ルマンのサンドイッチ
まずは宝塚駅から花の道を経て大劇場へ。花の道では『かげきしょうじょ!!』のあの場面はここだよ」みたいな話をしながら盛り上がった。お昼を食べなきゃ…だけど、まずは「これが宝塚大劇場ですよ」っと外観を観てもらう。
娘が「食べてみたい」と言った『ルマン』は宝塚では名の知れたサンドイッチのお店。実は私も食べたことがなかった。私が友達だったり1人だったりで宝塚へ行く時は観劇か写真撮影メインだったので、食べることは2の次3の次…って扱いだったのだ。
ルマンはで外観は「昔ながらの普通の喫茶店」って感じ。
家族3人それぞれに好きなサンドイッチを注文。私は3つのサンドイッチが楽しめるサンドセットを注文した。見た目は特にひねりのない普通のサンドイッチ…って感じなのだけど、玉子サンドがびっくりするほど美味しかった。
一般的な玉子サンドって、マヨネーズの味が濃いのだけれどルマンの玉子サンドはマヨ感が少ない。なのにしっかり味がついていて美味しいのだ。私の人生で1番美味しい玉子サンドだった。
娘も玉子サンドの美味しさには大満足だった。
私と娘は頼まなかったのだけど、夫はサンドイッチだけでなくポトフを注文していた。夫が注文したポトフは厚切りのベーコンが入っていて「猛烈に美味いな…」と夫もご満悦だった。
ステージスタジオ
食事の後は宝塚大劇場へ。宝塚の衣装を着て写真を撮ってくれるステージスタジオは男性は入ることが出来ないので、夫には劇場内で時間を潰してらうことにして、娘と2人でいざ入店。
ステージスタジオでは宝塚メイクをして撮影してもらうコースと、メイク無しで撮影してもらうコースがあるけれど、今回はメイク無しのコース。と言うのも、メイク込での撮影は事前予約が必要なのだ。キャンセル待ちのチケットが回ってきた時はすでに予約が終わっていたので、今回は予約無しで撮影してもらえるショートステイ。
娘は2着、私は1着ドレスを着て撮影してもらうことにした。本当は娘だけでも良いよね…って話だけど「せっかく行ったんだから私も楽しまなきゃ」ってことで。
本格的なドレスを目の当たりにして娘もすっかりテンションアップ。ステージスタジオのスタッフはプロばかりなので、若いお嬢さんだろうが50歳のおばさんだろうが「綺麗ですね」「可愛いですね」と言いながら気持ち良く撮影してもらえる。
ちなみに…出来上がった写真はこんな感じ。娘はA5版の良い台紙で、私はA5版の普通台紙にした。
機会があれば、次は娘とメイク込で撮影してもらいたい。そして何なら私の遺影は宝塚メイクで撮影した写真にしたいと思う。
ライラックの夢路&ジュエル・ド・パリ!!
ステージスタジオで撮影した後は宝塚の殿堂(資料館的な施設)を見学して、いざ公演へ。
今回、観劇した『ライラックの夢路』と『ジュエル・ド・パリ!!』雪組公演だった。雪組は宝塚の5組の中で「芝居の雪組」と呼ばれる組。ちなみに今回は4月に宝塚音楽学校から入団したばかりの新人さんの初舞台公演でもあった。
音楽学校を卒業した新人さんの初舞台はラインダンスと決まっていて『かげきしょうじょ!!』がキッカケで宝塚を観る娘にとっては、もってこいの公演だった。
ライラックの夢路
『ライラックの夢路』はイギリス産業革命の影響を受けて目まぐるしく変化する19世紀初頭のドイツが舞台。
プロイセン王国のユンカー(騎士領所有の貴族)であり、今も尚騎士道の精神を受け継ぐドロイゼン家の5人兄弟の長男が主人公でドイツに新しい産業である鉄道産業を発展させる物語。なんとなく阪急電鉄の小林一三のイメージなのかな…と思ったりした。
今回の脚本は恋愛度は超低めで「ヒロインの存在意義とは?」って感じの「ヒロインは添え物」な物語だった。意外に思うかも知れないけれど、宝塚の演目には「恋愛度低め」な物も案外多い。
夫は「宝塚ってロミオとジュリエットみたいなヤツじゃないの? なんだかNHK大河みたいなんだけど?」と驚いたようだった。
宝塚は男役のトップスターのための舞台なので「ヒロインは添え物」とか普通にアリだし、男役のトップスターだけでなくトップを支える2番手3番手がカッコよく立ち回ることが出来るのであれば、オールOKなのだ。
男役さんは個人的には3番手の人が好みだった。でも舞台映え的には2番手の人の方が強そうな印象。何にしてもトップご披露公演だったので、これから色々なところが育っていくんだろうなぁ…って印象。
『かげきしょうじょ!!』の中でトップの娘役さんが「娘役はトップに注目してもらうための美しき矢印になるのが役目」みたいな事を言っていたけど、ホントそれ。
娘役トップの夢白あやのさんはまさに「美しき矢印」だと思った。顔面が強くてスタイルも良くて強い娘役さんになりそうな予感。
お芝居の後、幕間に『ボヌール』のジェラートでオヤツ休憩。娘は公演デザート、私と夫は普通のジェラートを食べる。とりあえず娘が最初に希望したことは全て達成。
『ジュエル・ド・パリ!!』
『ジュエル・ド・パリ!!』は宝塚らしい華やかなショーで「宝塚初心者」が観るには良い公演だった。
初舞台の109期生は黄色い衣装を着てのラインダンスを披露。色と言い、頭の飾りと言い「なんだかヒヨコみたいだな」と思ってしまった。もしかしたら本当にヒヨコのイメージだったのか?
ちょっとビックリしたのは、ほとんど露出の無い衣装だった…ってこと。あれは初舞台の新人さん達への配慮(性的に見られないかどうか)なのかもなぁ…なんて事を思ったりした。
全体的にソフィア・コッポラの『マリー・アントワネット』の映画を思わせるようなポップな色彩の舞台で、特に水色とピンクの色使いに既視感を覚えた。宝塚の伝統的な感じのショーの色合いではなかったけれど、個人的にはかなり好き。いつまでも同じことばかりしていても仕方ないものねぇ。
私は基本的にショーは苦手で宝塚に行くならお芝居1本物を観たいタイプなのだけど、今回の公演はお芝居よりもショーの方が楽しかったし、初宝塚の夫と娘も「お芝居よりショーが良かった」と言っていた。
またいつか!
……と。宝塚歌劇を満喫して「宝塚欲張りセット」を滞りなく完遂することが出来た。
娘は「楽しかった」とご満悦だったものの「ハマった!」って感じではなかった。
娘は幼少時にディズニー・オン・アイスの『アナと雪の女王』をTV局ご招待の超良席で観たにも関わらず「ディズニー・オン・アイスは1回観たから、もういいや」と言っちゃった過去を持つ子なので、宝塚歌劇にハマらないなの想定内。むしろ今回は「機会があれば、また観たい」と言っていたので上出来だったと言える。
私も久しぶりの宝塚歌劇、楽しかった!
昨年、退職して今の仕事に転職するまでの空白期間に観に行ったけど、その時は2階席の後ろの方だったのだ。今回は1階の良い席で存分に公演を満喫することができた。
次の宝塚歌劇がいつになるかは未定だけれど、来年は宝塚歌劇110周年とのことなので1本物のお芝居があれが観に行きたい。
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