自分の親をディスるのもアレだけど50歳を前にして「うちの親って、なかなか凄かったな」と、しみじみ思う。
一般的に「結婚して子育てしたら親のありがたみが分かるようなる」と言われているけど、私はまったくその逆。子育てをするようになってから自分の親の酷さを今まで以上に自覚するようになった。
それと同時に「子どもの頭の良さは親の年収で決まる」とか「上流階級の人達はずっと上流階級として生きていける」ってことについて「一理ある」と感じるようになった。
若い頃はずっと「親の年収とか学歴が子どもの頭の良さに比例するなんて冗談じゃない」って思っていたけど、そうとも言い切れないな…と。
もちろん「裕福な家庭だけどクズ親」も沢山いるし「金持ちのアホ坊っゃん」とか「金持ちのバカ娘」と言われるような子も掃いて捨てるほどいるので一概にどこうこうは言えないけれど、娘の周囲を見ているとそこそこお金持ちで良い家庭に育った子はビックリするほど素直で大人を信じる傾向が強い。
私の場合。思春期の頃は大人ってものを全く信じていなかった。何なら「大人は敵」くらいまであった。親なんて大嫌いで尊敬もしていなかったし、テレビや小説に出てくる「良い家庭」とか「仲の良い夫婦」は創作だと思っていた。
ところが高校生以降、良い家庭で育った子とお付き合いするようになってから「ラピュタは本当にあったんだ」くらいの驚きを持って「世の中には良い大人や家庭も存在する」と言うことを実感した。
……なので、娘の周囲にいる「思春期なのに信じられないレベルで素直な子」の存在が実のところいまだ不思議で仕方がない。
以前、塾の話で「馬渕教室のSSSTにいる子達ってビックリするほど先生の話に乗せられがち」みたいな事を書いたけれど、勉強以外のことでも同じ傾向があるように思う。
思春期、反抗期のお子様って、大抵親の言うことは聞かないし全力で反発してくる。うちの娘もそれは同じ。親の言うことなんて1ミリも聞きやしない。
だけど、ちゃんとした家庭で育った子達は先生だったり指導者的な大人の言うことは驚くほど素直に聞くし、煽りにも乗ってくる。
私からすると「あなた達、何なの? 素直で可愛過ぎんか?」って思うのだけど、ちゃんとした家庭で育った子って思春期になっても大人の言葉を信じやすい傾向にある。
例えば。河川敷で野球をしている野球少年は、ふとい目が合った見知らぬ大人にでも「こんにちは!」と元気に挨拶してくるし、習い事ガチ勢の子も指導者の言う通りに真面目に取り組む力を持っている。
「良い家庭」ってのは別にお金持ちであるとか、親の学力が高いとかそう言うところじゃない…って気がする。実際、私は親の仕事が駄目になるまでは普通よりも裕福な生活をさせてもらっていたけれど、それでも大人を信用ししない子どもだった。
良き日本人がイメージする普通の家庭。テレビCMに登場しそうな家庭に育った子はそれだけで人生のスタートダッシュが有利になっているんじゃないかな…なんてことを思う。
私は陰キャヲタクだったのでヤンキー的な子達から散々嫌な目に合わさせてきたので「ヤンキーなんて滅べばいいんだ」と公言して憚らないけれど「頑張れない子ども」とか「大人を信頼できない子ども」には、それ相応の背景や理由があるのだろうなぁ。
子育てをしていると自分の子どもが1番可愛いのは当たり前のこととして、子の友達とか周囲にいる子にも幸せに育って欲しいと思う。
それだけに「なんかちょっと(かなり)残念な親」の元に生まれた子達を不憫に思ったりする。まぁ…しょせん他人なのでどうにかできるものでもない。
世の中は不公平にできていて、不遇な子どもが多いけれど、せっかく生まれてきたのだから、ちゃんとした大人になって幸せになって欲しいな…と願わずにはいられない。
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