今年も白い木蓮の花が咲いた。
白い木蓮は私が1番好きな花。この花が好きになったキッカケはよく分からないけれど、白い花が上を向いて咲いている様子は青空にも似合うし夕焼けにも似合う。白は何にでも合う色だから当たり前と言ってしえばそうなのだけど。
白い木蓮って浪漫が溢れているじゃないですか。和の風景にも洋の風景にもよく似合う。お屋敷の庭木にしても良いし、素朴な田舎道にあるのも良い。妄想小説の10本や20本は書けるんじゃないか…ってくらいに妄想がはかどる花だと思う。
子どもの頃、街路樹として白い木蓮の花を植えている通りがあった。商店街を抜けて、集合住宅が並んでいる一角。毎年この季節になると白い木蓮の並木が美しくて、そこを通るのを楽しみにしていたのだけど、集合住宅が撤去されるタイミングで白い木蓮の並木道もなくなってしまった。
「白い木蓮の花を見ると私のことを思い出す」と言ってくれた人がいて、幸せだな…としみじみ思った。
自分の好きなものは普段から口に出してたり表明したりしておくと良いと思う。私も何かを見た時に特定の人を思い出すことがある。「これ○○さんが好きなんだよね」とか「ああ…これは○○さんの好きなヤツ」とか、そう言うの。
白い木蓮の花は咲いている期間が短くて、雨でも降ろうものなら一気に散ってしまう。本格的な春がくるまでの短い時間しか見られないけれど、そこがまた良いのかも知れない。
今年も白い木蓮の花を見上げることができて幸せだな…って、しみじみ思う。