今年1年間に読書録に感想を書いた本は50冊。昨年より沢山の本を読む事が出来たのだけど読書の質は昨年以下かも知れない。改めて題名を見返しても「これって、どんな話だったっけか?」と頭を抱える作品がいくつかあったりする。以下は今年読んだ本の題名。
木内昇『漂砂のうたう』 桜木紫乃『蛇行する月』 鹿島田真希『ハルモニア』 戌井昭人『すっぽん心中』 平山瑞穂『四月、不浄の塔の下で二人は』 蓮池薫『拉致と決断』 桐野夏生『ハピネス』 千早茜『あとかた』 兼高かおる『わたくしが旅から学んだこと』 吉田篤弘『つむじ風食堂と僕』 森晶麿『ホテル・モーリス』 中山可穂『白い薔薇の淵まで』 松浦理英子『ナチュラル・ウーマン』 荒木経惟『いい顔してる人』 柴田哲孝『狸汁』 鶴川健吉『すなまわり』佐川光晴『愛あり山あり』 林真理子『下流の宴』 朝比奈あすか『憧れの女の子』 加賀乙彦・津村節子『愛する伴侶を失って』 島本理生『よだかの片想い』 楊逸『流転の魔女』 小川洋子『いつも彼らはどこかに』 雛倉さりえ『ジェリー・フィッシュ』 小手鞠るい『美しい心臓』 熊谷達也『調律師』倉阪鬼一郎『遠い旋律、草原の光』 小川洋子『最果てアーケード』 村上春樹『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』 柚木麻子『王妃の帰還』 ドリアン助川『あん』 桜木紫乃『ホテルローヤル』 西村賢太『一私小説書きの日乗』 新庄耕『狭小邸宅』 道尾秀介『笑うハーレキン』 遠藤周作『遠藤周作で読むイエスと十二人の弟子』 菅原千代志『アーミッシュ』 細田守『おおかみこどもの雨と雪』 松尾スズキ『老人賭博』 真梨幸子『殺人鬼フジコの衝動』 港かなえ『母性』 朝井リョウ『チア男子!!』 大崎善生『将棋の子』 朱川湊人『満月ケチャップライス』 小池昌代『厩橋』 柳澤桂子『いのちの日記』 大崎善生『赦す人』 東直子『キオスクのキリオ』 西條加奈『千年鬼』 田口ランディ『サンカーラ』
昨年に続きTwitter経由で選んだ本が多かった。「Twitterが無ければ出会わなかっただろうけれど読んで良かった!」と思える作品もいくつかあったけれど、私の場合は圧倒的に外れの方が多かった。Twitterの情報ってブログ以上に出版社が売ろうとしている作品がリツイートされるケースが多い。むしろ「どうして、この作品が話題にならないのかな?」と思えるような作品が取り上げられていなかったり、「確かに売れそうだけど、これってどうなの?」って作品が押せ押せだったり。本の売れない時代なだけに、Twitterを利用した宣伝を否定する気は無いけれど、度が過ぎるとかって読者が離れていくんじゃないかと心配になったりもする。
今年はダントツに面白かったと言えるほどの作品とは出会わなかった。そこそこ面白かった作品は多かったのだけど。良かった事は若い作家さんの活躍が感じられたこと。ただ、デビュー作だったり、デビュー後の数冊しか出ていなかったりという状態で「応援したいな」とは思うものの、西村賢太を初めて読んだ時に感じた「魂持って行かれたわ」的な衝撃を感じるような作家さんとの出会いは無かった。
個人的に印象深かったのは、リクエストがあって再読した中山可穂『白い薔薇の淵まで』と松浦理英子『ナチュラル・ウーマン』が私の中で色あせていなかったって事。どんなに好きな作品でも、自分が歳を重ねる事で「あの時は大好きだったけれど、今にして思えば甘酸っぱい思い出だなぁ」なんて思う作品もあるのだけに、ちょっと嬉しい発見だった。
今年は、ちょっと面白くない作品に当たると読み飛ばしてしまっていて、雑な読み方が多かったので、来年は1冊1冊と真摯に向き合っていきたいと思う。来年の目標は量より質。1つの作品を丁寧に読んでいこうと思う。