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僕のなかの壊れていない部分 白石一文 光文社

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たぶん本年度マイ・ワーストワン作品になるだろうと思う。なにが「壊れていない部分」だ。壊れているとか、いないとかではなくて最初っから不良品だと思う。

こういう文章が流通に乗っているということが驚きだ。文学界の仕組みって、一般読者にはよく分からないなぁ。これを「小説」と認定しても良いのだろうか?

真摯に創作活動をしている作家さん達に失礼じゃないかと思った。

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僕のなかの壊れていない部分

出版社に勤務する29歳の「僕」は3人の女性と同時に関係を持ちながら、その誰とも深い繋がりを結ぼうとしない。

一方で、自宅には鍵をかけず、行き場のない若者2人を自由に出入りさせていた。常に、生まれてこなければよかった、という絶望感を抱く「僕」は、驚異的な記憶力を持つ。その理由は、彼の特異な過去にあった。

―生と死の分かちがたい関係を突き詰める傑作。

アマゾンより引用

感想

作中に、やたらと引用文が多いのだ。小難しい引用を並べれば格調高くなると思っているのだろうか?

まったく読者を馬鹿にしている。そうことは知りたい時に調べるものであって、創作活動がお仕事の小説家から押し付けられることではないのだ。

小説とか文学は、いわゆる「芸術」の1つだと言われるし、確かにその通りだと思うが、何かを売って糧を得る以上、ある程度のものを提供するのが最低ラインのお約束だと思う。

小説家が小説を出版するのであれば、ちゃんと小説を書いて欲しいと思うのは読者として当然の欲求である。この作品は私の感覚でいうと小説とはいえない。

知識を引けけらかしつつ、作者の未熟さ加減を紙の上にブチマケタだけの駄文である。

だけど、こういう作品にも支持者がつくだろう……ってことは、理解できる。

実際に白石一文みたいな考えの人って、あんがい多かったりするもの。ちゃんと大人として成熟しきれていないくせに、エラソーなこと言って、他人を馬鹿にしたり茶化したりするような人。

私は大っ嫌いだし軽蔑するけど。

それにしても……こういう、くだらない作品を読んで熱くムカついている自分の馬鹿さ加減も情けない。

だいたいは自分の感性にあわなくたって「こういう作品もあるよねー」と思えるのだけれど。それが出来ないくらい嫌な作品だったのだ。

結局のところ私はどうしようもなく平凡で一般的な思考を持っていて、たかだか小説にプンプンと怒ってしまうくらい、ちょっと暑苦しい性格だということなのだろう。

どうしようもなく馬鹿げた1冊だった。

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