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体操に捧げた2年間だった。

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娘は2年間打ち込んできた体操を辞めることになった。

体操に捧げた2年間。娘の本当の気持ちは分からないけれど、親として悔いはない。

キッカケは郵便受けに投げ込まれていた1枚のチラシだった。

それは自転車圏内に新しく出来た体操教室のチラシで「君もバク転してみよう!」的な事が書いてあった。

運動が大好きな娘が「バク転出来たら恰好良いね。私もやってみたい!」と言うので「小学校卒業までにバク転出来るようになったらいいね」程度の気楽な気持ちでスタートした。

週1の習い事としてはじめた体操教室だったのに、どっぷりのめり込んで、最終的に週5で通うことに。「バク転が出来るようになったら辞めよう」と思っていたのに、バク転どころか色々な事で出来るようになり、大会にも出させてもらった。

体操をはじめた頃は、娘は純粋に技が出来るようになるのが喜んでいたように思う。それが大会に出て順位を競うようになってから、色々と現実が見えてきてしまった。

体操って競技は小さい頃にスタートしないと成果を出すのが難しい。

中学校の部活から体操をはじめる子もいるけれど、現実問題として中学校から体操をはじめた子は3歳から体操をはじめた子には絶対に勝てない。

実際、オリンピッククラスの選手達が体操をはじめた年齢は「3歳」が圧倒的に多い。

娘の体操教室も選手コースに声が掛かるのは6歳未満の子に限定されている。

オリンピック銀メダルの沖口誠選手は小学校3年生から体操をはじめたそうだけど、かなりのレアケース。しかも女子は男子よりも選手生命が短いので、年齢の壁が男子よりも厚い。

「オリンピックを目指す」とまでは言わなくても、体操でそこそこの大会に出て活躍したいと思うなら、小学校入学までに選手コースに入って頑張る必要がある。

4年生で体操をはじめた娘は完全に出遅れ組だった。

それでも私と夫は娘が出遅れ組だったとしても娘が熱中している間は全力でサポートするつもりだった。

「地元の中学には体操部が無いし、中学校以降も体操をしたいなら私立中学も考えなきゃいけないのかな?」と密かに調べたりもした。

しかし。親があれこれ心配しなくても、娘の方が自分の実力と置かれた立場を理解していて、3月の大会が終わった時に「体操辞める。体操続けるより勉強頑張る」と言い出した。

娘は人から「充分凄い」「よく頑張った」と言われるのが嫌だとのこと。頑張っても勝てないなら、自分が勝てそうなことに力を入れたいらしい。

私も夫も娘に対して「1番じゃないと駄目」とか「勝て」と言ったことはない。むしろ、ふんわり育ててきた。

娘自身、体操の大会に出るまで、そこまで勝ちにこだわるタイプではなかったけれど、体操の大会に出て表彰台に上がれる人間とそれを見上げる人間の世界を知ってしまってから勝ちにこだわるようになったのだと思う。

体操を辞める決め手になったのも体操だった…ってのは皮肉な話だ。

「娘がもう少し早く体操と出会っていれば」と言う気持ちがあるのも事実だけれど、娘が一気に伸びたのは「新設の体操教室で手取り足取り手厚く指導してもらたから」と言う部分が大きい。

娘の性格を考えると、幼稚園の頃に大手の体操教室に通っていたとしても、伸びなかっただろうし、そもそも続かなかったと思う。

この2年間で娘は沢山の体操の技が出来るようになった。

  • 転回
  • ロンダート
  • バク転
  • 宙返り(前後)
  • 伸身前宙
  • スワン
  • ひねり技(半回転)

……他にも色々。

2年間、娘はよく頑張ったと思う。私も送迎等、正直しんどかった部分も大きいけれど、今まで触れる事のなかった世界に触れる事が出来て楽しかった。

ありがとう体操。さようなら体操。

娘が体操に出会わなければ経験出来なかった濃厚な2年間に感謝したい。

……と綺麗に締めようとしてみたものの、まだ体操教室に「辞めます」と宣言していないので「立つ鳥跡を濁さず」で綺麗に辞めてこなければ。

お世話になった先生にとって娘は教室第1号の生徒だったので、残念がられるとは思うけれど、それはそれ。これはこれ。

娘が体操を辞めるのは残念だけど、娘の新しい生き方をサポートしたいと思う。

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