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家族ガチャガチャ。

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お正月明けに娘の友達とその母が遊びに来てくれたのだけど、目玉が飛び出るかと思うほどビックリした事があった。

娘の友達が「おばちゃんち、今日の晩ごはん何?」と聞くので「今日は手抜きして鍋だよ。チーズ鍋スープってのを試してみようと思って」と答えると「いいなぁ。私も鍋食べたいなぁ」と、やけにグズグズ言うので不思議に思っていたら、娘の友達の家では12月27日から11日間、カレーを食べ続けていると言うのだ。

流石に「ちょっと、そのカレー大丈夫なの?」と言ってしまった訳だけど「冷蔵庫に入れているから平気、平気。今夜もカレー食べるよ」と返されてしまった。

我が家でもカレーが続く時はある。1日目にカレーライスで食べて、2日目はカレードリアとか。それでも流石に11日連続は酷いと思う。

私は独身時代、最長で7日間カレーを食べ続けた経験がある。

その時は父が長期入院中で母は病院に付き添っていた。私と弟で医療費だの生活費だのを払っていて、さらに言うなら父は会社を潰しいいて、蓄えなどなかったから「医療費と生活費を払うのでイッパイイッパイでな」と言う状態だった。

それこそ死ぬほど働いていたし、料理を作る時間もなかったため、やむなくカレーを食べ続けたのだけど「これはアカン。飽きるだけじゃなくて心が病んでくる」と思ったものだ。

世の中には様々な事情を抱えた家族があるので「カレーを食べ続けることが悪い」とは思っていない。ただ、娘の友達の家は我が家よりも世帯年収が高く、母親は専業主婦。さらに言うなら、我が家と同じく1人娘なのだ。

11日間もカレーを食べ続けなければならない理由はどこにも見当たらない。

娘の友達の母は私よりも5歳年下で、なんだか知らないけれど私を慕ってくれている。他人の事なので詳細は書かないけれど、彼女はちょっと気の毒な生い立ちの人(いわゆる毒親育ち)で、普通の感覚で育てられていないせいか、他人と感覚がズレているところがある。

娘の友達は身体が弱くて、飛び抜けて背が低い。

学校を休みがちになるので成績が悪く、食べる事にしても、勉強のとこにしても「どうしたらいいかな?」と相談を受けることが多く、私はそのたびに、いちいちアドバイスしていたのだけど、今回は「この人にアドバイスしていたのは無駄だったんだな」と思ってしまった。

娘の友達は夏休みのお泊まり会の時も「お母さんはあまりご飯作ってくれない」みたいな事を匂わせていたけれど、今回の事で「本当にちゃんと作ってもらってないんだな」と確信した。

もともと身体が丈夫に生まれてきた子なら、ポテトチップスとコーラとジャンクフードを食べていても、病気もしなけりゃ背も伸びる。だけど、身体が弱く生まれてきた子にその食生活をさせていて「なんで、この子は病気ばっかりするのかな?」と言われても苦笑いするしかない。

親は子を選べないし、子も親を選べない。

家族ってガチャガチャみたいなものだな…と思う。

ガチャガチャを回して当たりを引けばラッキー。ハズレを引けばアンラッキー。

常識範囲の家族を引き当てられた子は自分の努力である程度どうにか出来るけど、ハズレの家族を引いた子はガチャガチャを回した時点で重荷を背負うことになる。

世の中は平等じゃない。

理不尽だとは思うけど、良い家に生まれた子は生まれ落ちたも時点でゲームで言うところの「強くてニューゲーム」だし、悪い家に生まれた子は「ハードモード」も同然だ。

私は「専業主婦で家にいるならご飯ぐらいちゃんと作ってやってよ」と思うのだけど、たぶん娘の友達の母親はこれからも、まともに家事をせず生きていくのだと思う。

他人の子どもとは言っても母親目線で見てしまうので、娘の友達が不憫でならないけれど、私にはどうする事も出来ない。娘の友達には人より不利な環境に負けずに強く生きて欲しい。

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