最近、本のアタリが非常に悪い。
ず~っと本を読んでいると不思議と「自分の好みではない本ばかりに行き当たる」って時がある。そして今、その真っ只中にいる。
もちろん「手に取って読む本の全てが面白い」なんて時期もある訳で、こればかり「運」としか言いようがない。
綿密にリサーチして読んだ本だからと言って面白いとは限らないし、図書館で題名に惚れて予備知識ゼロで読んだ本に涙することもある。
今回の作品も残念ながら私は合わなかった。どうやら作者の感覚は私には合わないようだ。10作からなる短編集だったのだけど「どれもこれも無理」って感じだった。
ヲトメノイノリ
果たして、イノリは通じるのか。七十六歳にしてピアノを習い始める佃煮屋の女将、彼女の願いと挑戦を軽妙に語る表題作ほか、幼児から老女まで、様々な年代の女性の日常と「イノリ」を描いた傑作連作短篇集。
アマゾンより引用
感想
何しろ表現がいちいち癇に障る。
成人女性が玉子がたっぷり挟まったサンドウィッチを「でぶっちょのサンドイッチ」なんて表現しているのを読むと、頭がムズ痒くて金田一耕助並に頭を掻きむしりたくなってしまうのだ。
もちろん表現方法その物がが悪い訳じゃない。
小川洋子の描く「ちょっとだけ現実とは違う世界」とか「不思議ちゃん設定の少女」が言うならアリなのだけど、現実世界に持ってこられてしまうと興醒めしてしまう。
どの作品の主人公も「コイツ性格悪いな」としか思えなくて、全く共感出来なかった。
ただ表題作になっている『ヲトメノイノリ』だけは、そこそこ読めた。
『ヲトメノイノリ』は76歳になる佃煮屋の女将さんがピアノで『乙女の祈り』を弾きたくて、奮闘する物語。これだけはコミカルでそれなりに楽しめた。
ただ、なんと言うのかな。言葉選びとか物語の締め方はやっぱり好きにはなれなかった。
悪いことばかり書いちゃって本当に申し訳ない。
「物語の解釈が嫌い」と言う場合は同じ作者でも別の作品なら楽しく読める可能性があると思うのだけど「感性が合わない」となると、他の作品も駄目だと思う。なので、この作家さんの作品はこの1冊でオシマイにしようと思う。