春休み最終日。娘と『ドラえもん のび太の宝島』を観に行ってきた。
娘はこの春、小学校5年生になった。毎年、春になるとドラえもんの映画を観に行くのが恒例行事になっていたけれど、この春が最後のドラえもん映画じゃないかな…と思っている。良くて来年の春がギリギリかな…と。
最近のお子様アニメは質の高い作品が多い。
特に『クレヨンしんちゃん』や『名探偵コナン』あたりは確実に名作を出している印象があるけれど、ドラえもんの映画って年によって出来不出来の差が激しい気がする。昨年の『ドラえもんのび太の南極カチコチ大冒険』の時はあまりにもツマラナクてアニメなら何でも来いの私でさえ寝てしまったほどだ。
しかし今回の『ドラえもん のび太の宝島』は大人も楽しめる良作だった。
ドラえもん のび太の宝島
ドラえもん のび太の宝島 | |
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Doraemon:Nobita’s Treasure Island | |
監督 | 今井一暁 |
脚本 | 川村元気 |
原作 | 藤子・F・不二雄 |
出演者 | レギュラー 水田わさび 大原めぐみ かかずゆみ 木村昴 関智一 ゲスト 悠木碧 山下大輝 折笠富美子 大泉洋 高橋茂雄 長澤まさみ |
音楽 | 服部隆之 |
主題歌 | 星野源「ドラえもん」 |
あらすじ
夏休みのある日。のび太は出木杉から『宝島』の本を教えられ、ジャイアンたちに自分も宝島を発見すると宣言する。
のび太たち、ドラえもんの道具を使って宝島を発見。「ノビタオーラ号」に乗って、島を目指すが途中で海賊に襲われ、しずかを海賊にさらわれてしまう。
のび太たちは海に漂っていた少年・フロックとペットのオウム型ロボット・クイズを救出。フロックは海賊船から逃げてきたと言う。
一方、しずかは海賊船の中で自分そっくりな少女・セーラに出会う…
見る前から面白そうな予感
今回のドラえもん映画の監督は今井一暁。昨今のドラえもんアニメの演出さん。
脚本は川村元気。『君の名は。』『怒り』『何者』と東宝映画のヒット作を企画しているプロデューサー。なので観に行く前から「今回は当たりかもな~」みたいな予感はしていた。
物語のベースは、本が好きな人なら読んだ事があるだろうスティーブンソンの『宝島』がベースになっている。
『宝島』で印象的な登場人物であるジョン・シルバーはそのままの名前で、ドラえもん映画に登場している。
漂うジブリ臭
今回の映画でビックリしたのは「ナニコレ? ものすごくジブリ臭がするんですけど?」ってこと。
今回は従来のドラえもん映画の映像とは全く違っていて、動きも見せ方もアングルも「ジブリ・リスペクト」だったと思う。
アニメ好きな方なら「いつかどこかで観た場面」が「これでもか」と言うほど登場する。
そもそも、かつてジブリは「血湧き肉躍る漫画映画」を目指していた訳で、今回のドラえも映画もそこを目指していたらジブリに似ちゃいました…って事なのかも知れない。
さらに言うなら「ジブリ飯」についても意識していたと思う。
特に食堂の場面などは「これ…まるで天空の城ラピュタの世界」と思ってしまうほど。かつて、ドラえもん映画でこれほど食べ物を詳細に描いた作品は無かった。
女の子リスペクトの流れ
今回はドラえもん唯一の女性キャラであるしずかちゃんが目立っていた。
ドラえもん映画は基本的にジャイアンが何故か格好良くて頼りになるキャラとして描かれるのが黄金パターン。
しずかちゃんはオマケ程度の事が多いのだけど、今回は出番がやたら多かった。
ゲストキャラとして登場したヒロインの「セーラ」と言う少女としずかちゃんが瓜二つと言う設定。
しずかちゃんとセーラが心を通わせていく場面は「いつかどこかで観たジブリ映画」そのものだった。
女の子同志のキャッキャウフフ空間は、今までのドラえもん映画には無かった要素だと思う。
クレイマー・クレイマー的親子の絆
今回のドラえもん映画は冒険映画の基本を忠実に追いかけつつも「父と子の関係」に焦点を当ててきたのは良かったと思う。
子ども向け映画はとかく「母と子」の関係を描きたがる傾向にあるけれど、あえて「父と子」を突っ込んできたところは称賛したい。
しかも、綺麗に昇華して泣かせる展開に持ってきたのは流石だと思う。
ちなみに。父と子で泣かせの演技をした声優さんは『水曜ロードショー』でお馴染みの大泉洋。「なんだかもう、立派になっちゃって」みたいな感じが凄かった。
星野源スゲー!
今回のドラえもん映画のED曲は、昨今大人気の星野源。
私自身は全く興味が無くて、流行りのドラマも観ておらず「なんか知らんけど、最近、星野源って人が人気らしい」くらいの認識だった。
なので「どれくらい流行ってるのか?」については全く知らなかったのだけど、今回は星野源がものすごく流行っているのだと実感させられた。
私と娘が観た回だけかも知れないけれど、映画のEDで映画を観ていた子ど達による星野源の曲の大合唱が起こったのだ。
これには正直、恐れ入った。
娘が生まれてからというもの、娘と何度となく子ども向けのアニメ映画を観に行ったけれど、これは初めての経験だった。
子ども達の大合唱のおかげで映画の余韻が一層に楽しめた気がする。
そんなこんなで、今回のドラえもん映画は娘だけでなく、私もしっかりと楽しむ事が出来た。
そのうちテレビの地上波でも放送されると思うので、気になる方は是非観ていただきたいな…と思う。