読んだ本の『50音別作家一覧』はこちらから>>

ふたりはともだち アーノルド・ローベル 文化出版局

記事内に広告が含まれています。

かえるくんとがまくんが活躍するシリーズは私が激愛する絵本なの思い入れたっぷりに書いてみようと思う。

かえるくんと、がまくんの物語は、4冊揃えのシリーズになっている。

ちなみに4冊のラインナップは以下の通り。『ふたりはともだち』『ふたりはいっしょ』『ふたりはいつも』『ふたりはきょうも』

すべて「ふたり」という言葉からはじまる題名を持つこのシリーズは題名に相応しく「ふたり」の物語なのだ。

スポンサーリンク

ふたりはともだち

仲よしのがまくんとかえるくんを主人公にしたユーモラスな友情物語を5編収録。読みきかせにもふさわしいローベルの傑作です。小学校の教科書に採用されています。

アマゾンより引用

感想

かえるくん、男前でなんでもよく出来きて詩人の心をもったカエル。がまくんは不細工でひがみっぽくいけどお料理が上手なカエル。

2人は正反対といって言いどタイプの違うカエルだが、とっても中の良い親友同志だ。

愛と友情に溢れる道徳的な子供向け絵本……と思いきや、ほのぼのした話に混じって、泥臭くダークな話があったりして、とても人間臭い…もといカエル臭い仕上がりになっている。

子どもだけでなく、大人が読むに値する作品だと信じてやまない。

私が、最も気に入っているのは「絵本なのに、なんだか泥臭い」って部分ではなくて、かえるくんとがまくんが、素敵な関係を築いているという部分にある。

ふたりは「友情」と呼ぶには少し度が過ぎるほど、互いのことが大好きなので時々、間違たことを言ったり、間違った行動をしたりもするけれど、ピュアに心をもったカエルなだけに「相手の喜びが自分の喜び」という愛の基本型の中で生活しているのだ。

かえるくんと、がまくんが互いに想いあっているは明白な事実なのだが彼らの関係の素晴らしさは、決して相手に依存しないというところにある。

とっても仲良しな2人だが、それぞれ独立した生活を送っていて、どんなに一緒に遊んでも、ちゃんとそれぞれの家に帰っていくのだ。

しかし、季節の行事や、誕生日、心が弱っている時、病気になった時など本当に互いを必要としている時には、ちゃんと一緒にいたりして、その辺の匙加減と言うか、相手との距離の取り方はカエルながら、天晴れとしか言いようがない。

互いに求め合いながら、しかし決して依存しない。

……素敵だよ。かえるくん。がまくん。私にとって、彼らは手本にしたい存在なのだ。

  • 2人が繰り広げるほのぼのと温かい物語を楽しむもよし。
  • 2人の間に横たわる泥臭くて深い溝を感じてみるもよし。
  • 2人の素敵な関係を羨ましい目で見つめるもよし。
  • 2人の気持ちの純粋さに胸を熱くさせてみるもよし。

楽しみ方の多い1冊(シリーズ4冊)だと思う。

50音別作家一覧はこちら

作家名・作品名等で検索出来ます
タイトルとURLをコピーしました