いつも利用しているスーパーの駐輪場でハクセキレイを見つけた。
ハクセキレイはスズメと似たり寄ったり大きさで色は白と黒。身体つきはスズメよりもスリムな感じ。この時期、大阪でもよく見掛ける。特に私が住んでいるのは大阪と言っても微妙に田舎で山も近いし川も近いのでハクセキレイが暮らすには良い環境なのかも知れない。
ハクセキレイはスズメよりも人を怖がらない…と言うか、逃げるのに自信があるのかスズメのように慌てて逃げない。
しかし、そのハクセキレイは逃げないにも程がある…と言うか、よく見ると飛べないのだった。
どうやら足を怪我しているらしく片足が完全に使えていない。この寒い時期に飛べないだなんて小鳥にとって命取り。居たたまれない気持ちになってしまった。
もし私が小学生だったら迷わずハクセキレイを捕まえて家に連れて帰ったと思う。
実際、かつて私はスズメだのカラスだのヒヨコだのを拾った実績がある。しかしスズメとヒヨコは半日持たずに死んでしまった。
カラスは公的機関に相談したら「カラスは野鳥だから飼ってはいけないし、中途半端に飼って放鳥するとイタズラカラスになる。連れてきてくれたら責任を持って怪我を治して放鳥します」と言われて天王寺動物園へ連れて行った。
大人の私は知っている。可哀想だと思っても野鳥を連れ帰っはいけないのだ。
病気や怪我をしている場合、捕まえたとしても彼らは高確率で死んでしまう。かつて拾ってきたスズメとヒヨコ(ヒヨコは野鳥じゃないけど)はこのパターン。
そして後から知ったのだけど、もし死ななかったとしても捕まえてきた野鳥はハンガーストライキをして死ぬケースも多いとのこと。要するに怪我をして飛べなくなった時点でそれが彼らの寿命なのだ。
私はハクセキレイを放置してその場を去った。
しかし。もしかつての私のような子どもがハクセキレイを見つけたとする。きっとその子は家に連れて帰るだろう。
もし自分の子どもが怪我した野鳥を連れて帰ってきたら…その子の親はハクセキレイを動物病院に連れていくに違いない。
人間に捕まった野鳥はハンガーストライキをする事があるとのことだけど、そうでないケースも多々あるとのこと。そうしたらハクセキレイは助かるかも知れない。
……とそんな風になったらいいな…と思った。
生きていくって大変だ。
ハクセキレイを放置した事に後悔は無いけれど、やっぱりちょっと可哀想に思ってしまった。可哀想などと思うのは人間本位に考えてそう思うのであって、ハクセキレイ的にどうなのかは分からない。
分かっちゃいるけど、それでもやっぱり哀しい気持ちなってしまった。