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野良ビトたちの燃え上がる肖像 木村友祐 新潮社

なんだろう。この作品。力作なんだろうな…とは思うものの、全く共感出来なかったし、面白さを理解する事が出来なかった。

河川敷で生活するホームレスを描いた作品。題名になっている「野良ビト」と言うのは作品中に出てくる言葉でホームレスのこと。

野良ネコではなく野良ビト。「上手いこと言うなぁ」と感心した。

木村友祐の作品を読むのはこれで2冊目。

初めて読んだ『聖地Cs』でも感じたのだけど、作者は物語ありき、人物描写ありきの人ではなくて「思想ありき」の人なのだと思う。

ものすごく偏った考え方なので、好きな人は好きだろうけれど、賛同出来ないひともいると思う。残念ながら私は完全に後者のタイプだ。

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野良ビトたちの燃え上がる肖像

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「生きてるうちは、生きなきゃなんねぇからな」怒りと希望に満ちた世界を描く問題作。

河川敷で猫と暮らす柳さんは、アルミ缶を集めて生活費とキャットフード代を稼いでいる。

あちこちでホームレスが増えてきたある日、「野良ビトに缶を与えないでください」という看板を見つける。

やがて国ぐるみで野宿者を隔離しようとする計画が……。ほんの少しだけ未来の日本を舞台に、格差、貧困、差別の問題に迫る新鋭の力作。

アマゾンより引用

感想

貧困とか差別を描いた作品はも思想的なところが介入してしまうのは税金のようなものだと諦めている。

昨年末に読んだ『清十郎の目』も貧困や差別がテーマになっていたけれど『清十郎の目』はアリだった。

しかし、この作品は私にはどうしても受け付ける事ができなかった。それにはハッキリした理由がある。

陰気だったり、ドロドロしてたり、やるせなかったりするのは問題ない。

世の中にはどんなに汚くても哀しくても目を向けなければならない事は沢山ある。なので「ホームレスがテーマの不幸な作品だから嫌だ」と言う訳ではない。

私が嫌だったのは「貧困者を生む社会は間違っている」というコンセプトなのに、肝心のホームレス達は善意の炊き出しを当てにして生きている…ってこと。

納税したり年金や健康保険料を収めている人間からすると、彼らがどんなに恵まれない境遇にあったとしても「そりゃ、ないわ」と思ってしまうし、さらに突っ込んで言うなら「自業自得な部分もあるのでは?」とさえ思ってしまう。

ホームレス達の生活は気の毒に思ったもののの、彼ら主張には全く同意できなかった。

私は全く好きじゃないタイプの作品だけど、需要があるのも理解できる。

文学作品って時代を反映するものだと思う。この類の作品が出て来て支持されると言う事は、今の世の中に不満がある人が多いからだと思う。

若者の貧困が問題視される昨今、この作品に共感する人もいるのだろうなぁ。

私は全く好きではないけれど、今の世の中に出るべくして出てきた作品なのかな…と思った。

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白い木蓮の花の下で
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