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娘と私を繋ぐ本。

我が家には一般的なご家庭よりも沢山の本があると思う。

「お家に沢山の本があってお母さんが本好きとなると、娘さんも本が好きなんでしょうね」と言われる事があるのだけれど「まぁ…嫌いではないみたいですけどね」としか言えずに困る事がある。当たり前の事だが娘と私は違う人間なので嗜好が違う。娘は赤ちゃんの頃から本があって当たり前と言う生活をしているので、たぶん一般的な小学生よりは読書好きだと思うのだけど、私の子どもの頃のように「本の虫」ってタイプではない。

娘は私が個人的な趣味として集めていた「幼児ならとりあえず好きでしょ」的な鉄板絵本を読んで育ったものの、年齢が進むにつれて家にある本は読まなくなってしまった。娘はファンタジー…例えば『エルマーとりゅう』のような異世界物や『ハリーポッター』のような魔法も物も好みではないらしく、1度読んだら2度と読まない。そして私が娘と同じくらいの年にハマっていた海外の少女向け文学(『若草物語』とか『赤毛のアン』とか)も好みではないらしく、基本的に「身の回り半径10メートル以内で起こる物語」が好き。なので娘の嗜好を理解してからは、自分の好きな本を勧めることはしなくなった。娘には娘の世界があるのだから、彼女自身が好きな本を読めばいいかな…と言うスタンス。

しかし、ある日の事。図書館で借りてきた本を読み尽くしてしまった娘が「読むものがなくて暇だ」と言うので、私が小学生の頃に好きだった0011ほらふき探偵団シリーズの『0011発進せよ』を勧めてみたところ、娘のツボにハマったらしく、大笑いして読んでいた。娘は『0011発進せよ』を余程気に入ったらしく、何度も繰り返して読み、そのたびに声を出して笑っているので、シリーズの他の作品も読ませた方がいいかな…と探してみることにした。残念ながら手元にあるのは4冊ある0011ほらふき探偵団シリーズの1冊目だけ。他の作品は当時、小学校の図書室で借りて読んでいたのだ。

持っていない残り2冊を購入しようと調べてみたところ、0011ほらふき探偵団シリーズを出版していた太平出版は倒産していて、本は絶版になっていた。Amazonの中古でシリーズ最終巻があったので即決で購入。先日、本が届いたのだけど、状態も良くてラッキーだった。

今回購入した4作目はシリーズの中でも、個人的に1番面白いと思っていて、娘も気に入ってくれるだろうと思っていたけれど、娘はそれこそ涙を流す勢いで笑って読んでいた。そして私は娘が笑っている姿を見て、ふと思った。大人になると本や漫画を読んでクスッっと笑ったり、思わず吹き出す事はあっても、娘のようにゲラゲラ大声で笑う事はない。文章の力で子どもを笑わせる事が出来るなんて、この本はなんて素晴らしいのだろう…と。

そして、ふと作者にその事を伝えたくなってしまった。作者はかなりご高齢だろうし、もしかしたら亡くなっているかも知れないけれど、ご存命ならファンレターを出してみようと、作者の事を調べてみることにした。

私と娘が熱愛している『0011ほらふき探偵団シリーズ』の作者は村上義人は児童文学者。東大文学部文学部仏文科卒とのこと。残念ながら亡くなっていて、しかも今回、中古で購入した『SOS ! 羽田発101便』を出版した1979年に自殺されている事を知った。そう言えば、あとがきで「0011探偵団シリーズはこれで最後です。新シリーズのダンチ少年探偵団にご期待ください」と書いてあって、当時私は「ダンチ少年探偵団」が学校の図書室に並ぶのを楽しみしていたのだけど、いつまでたっても本が並ぶ事はなく、いつしか「ダンチ少年探偵団」の事も忘れてしまっていた。私が0011ほらふき探偵団シリーズにハマっていた頃、すでに作者はこの世の人ではなかったのだ。ご存命だったら感謝の気持ちを伝えたかったのに残念でならない。

『0011ほらふき探偵団シリーズ』は市の図書館でも借りる事が出来る。現在、我が家にはシリーズ4冊中、最初と最後の2冊が手元にある状態。他の2冊はとりあえず借りて読むことになると思うのだけど、絵本以外の本で娘と私が共通して気に入った記念すべき本なので、出来れば残り2冊もどうにかして手に入れたいと思う。

今回はちょっと哀しい事実も知ってしまったのだけど、それでも本っていいなぁ…と改めて思った。37年前の作品が今の子どもを大笑いさせる事が出来るなんて。多少古臭い部分があったとしても、圧倒的に面白い作品は時が経っても通用するのだ。37年前の子どもを夢中にさせてくれてた上に37年後の子どもを大笑いさせてくれる作品をこの世に送り出してくれた村上義人氏に心から感謝の気持ちを捧げたい。

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本の話
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白い木蓮の花の下で
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