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地の群れ 井上光晴 河出文庫

作者の娘である井上荒野のエッセイにあった、井上光晴が、娘の飼育していたヤドカリを「焼いていいか?」と娘に聞いたというエピソードを読んで、どんな作家さんなのか、俄然興味が出てきて手に取った1冊である。

なるほど、こういう文章を書く人なら愛娘のヤドカリを焼こうとするのも無理はないなぁ……と思った。

脂っこくて、男臭い文章がチャームポイントという感じ。

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地の群れ

長崎原爆の被爆者が群れ住む“海塔新田”。

―そこを舞台に、原爆、部落、朝鮮、炭鉱等、あらゆる戦後的主題を擬縮させ、虐げられた人々が虐げあう悲惨と残酷をえぐるなかから人間の条件を問うた、井上文学の核心を示す代表作。

アマゾンより引用

感想

物語の書き出しが鮮やかすぎるほど鮮やかなのに驚いた。この作品を書いた頃、作者は既に地盤の固まった作家さんだったというのに、新人さんが賞を狙って書いたかのようなコテコテに凝った滑り出しなのだ。

老婆の売る臓物の気持ち悪さが、本編の内容とリンクしているというところも良いと思う。目の醒めるような、脂のノリだ。

しかしながら「凄いなぁ」とは思ったものの、私の好みの話ではかなった。

とにかく濃いのだ。濃い過ぎる。豚骨ラーメンに豚の背油がギンギンに効いている……という味わい。

長崎の原爆、在日朝鮮人問題、レイプ……何もここまで詰め込まなくたって。

読んでいて、途中で嫌になってしまった。この作品を読むには、かなりのエネルギーを消費したように思う。

これが井上光晴持ち味なのか、それともこの作品が特別濃いのか、その辺は分からないけれど、アップアップしながらの読書だった。

印象的だったのは「女性の嫌な部分が、やけに上手い」という点である。

女性の目で読むと、かなり気分の悪い書き方なのだが、悔しいほど上手い。特に女性の愚かしい部分がなんとも言えない味わいで表現されていた。

男性についても嫌な部分をクローズアップさせて書いている風ではあるけれど、断然、女性の嫌な部分の方が色濃く描かれているように思う。

しかし、どうしてこんな嫌な感じの文章を書いたのだろうなぁ。

世の中にはこういう文章も必要だとは思うし、何より戦争ネタは、戦争を知らない世代が書くには無理があるので、実体験のある作家さんに書き残してもらうのは大歓迎だが、なんだかなぁ……

気力、体力とも充実している時に別の作品を読んでみようとは思う。それにしても上手いけど嫌な感じのする作品だった。

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白い木蓮の花の下で
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