その日。放課後、友達と最寄りの公園に遊びに行った娘が門限までに帰宅しなかった。
我が家の門限は5時。5分~10分のオーバーは目を瞑っているけれど、それを過ぎると叱らねばならないし、何かあったのではないかと気にかかる。行き先は分かっていたので迎えに行こうと家を出たら、自転車で出掛けたはずの娘が走って帰ってきた。
自転車の鍵を無くしてしまって、探していたら遅くなってしまったとのこと。
そもそも公園は筋向うにあって徒歩1分もかからない。そんな場所にわざわざ自転車で行って、鍵をかけて、その鍵を紛失するだなんてどうかしている。
娘のお友達も一緒に探してくれていたらしく、ワーワーとちょっとした騒ぎになっていたらしい。
一緒に探してくれたお友達にはお礼を言って「帰るの遅くさせてしまってめんね。お母さんに、おばちゃんも謝ってた…って伝えてね」と言って帰宅させた。自転車の鍵は予備があるので、公園に自転車を取りに行こうとしたら、小学高学年の女の子が娘の自転車を抱えてやって来るではないか。
「自転車、置きっぱなしだと困ると思って」と、わざわざ運んでくれたのだった。
いくら高学年で身体が大きいと言っても、自転車を抱えて歩くのは重かっただろうと思う。
そして何より、わざわざ持ってきてくれた事に感動した。もちろんお礼を言ったのだけど、名前を聞くのを忘れてしまった。娘に聞いても分からないと言う。
それにしても、自転車を運んでくれるだなんて心優しい女の子だなぁ…と感心した。
世間では「イマドキの子どもは…」と言われる事が多いけれど、うちの近所で遊んでいる子ども達は、良い子が多い。
つい先日も、娘が公園に忘れてきたコートを、裏に住んでいる男の子が家まで届けてくれた。
娘の通う小学校区は子どもの数が少なくて、1学年が1クラス~2クラスしかない。そのせいか、公園で遊んでいる子ども達は年齢を越えて遊んでいる事が多く、年上の子達が以外と下の子達をよく見てくれている。
私が子どもの頃はどうだったかな…と思い起こしてみるものの、当時は子どもの数が多かったせいか、小学生になると同級生とばかり遊んでいて、娘ほど幅広い年齢の子とは遊んでいなかったように思う。
娘は小学2年生。本人はしっかり者のつもりだけれど、どうみてもボンヤリしている。
今ところ周囲の子ども達のお世話になりっぱなしだけれど、成長したら自転車を運んでくれた女の子のように、年下の子に優しく出来る子になって欲しいな…と思う。
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