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あなたが消えた夜に 中村文則 毎日文庫

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中村文則の作品を読むのはこれで3冊目(1冊は感想をアップしていないけど)

前回読んだのは随分前の『R帝国』だった。前回は「なんだか知らないけど、やたら面倒くさい感じの作品を書く人だな」と思ったものだけど、今回読んだ『あなたが消えた夜に』もやたら面倒くさい感じの作品だった。

でもこれが彼の持ち味なのだろうと思う。

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あなたが消えた夜に

ザックリとこんな内容
  • ある町で連続通り魔殺人事件が発生した。所轄刑事の中島と捜査一課の小橋は犯人とされるコートを着た男を追う。しかし事件の背後には被害者たちを結ぶ見えない線が潜んでいた。
  • 捜査が進むにつれて犯人像は輪郭を失い、被害者と加害者の境界が曖昧になっていく。中島は自身の過去と罪を思い出し事件の真相に個人的な影が差しはじめる。
  • 中島と小橋は冷静な判断を失いながらも真実を掴もうと執念を燃やす。警察組織の思惑、報道の圧力、そして……

感想

「色々な要素を山盛りにしたサスペンス小説だな」と言う印象を受けた。サスペンス小説でありながら、ちよっぴり純文学的な要素も盛り込まれている。

面白い小説だと思うのだけど私は個人的に好きなれないタイプの作品だった。作者の中村文則って意地が悪いと言うか露悪的なところがある。そこがどうにも好きになれない。

作中に「人間の無意識が起こささせる犯罪」とか「兄が弟にアレルギー食材を食べさせて」みたいなエピソードが書かれていたけれど、思うに…中村文則は喜々としてそういう感じの悪い事件の本とかウィキペディアを読んでしまうタイプの人間なのだと思う。ちなみに私もその類の人間だからある意味親近感を覚えるところではある。余談だけど低年齢の子どもが子どもを殺す事件は多々ある(兄弟間では特に)

色々面倒くさいく回り道して描いていたけれど作者はクレイジーな犯罪者を描きたかったんだろうなぁ…と解釈した。

話の構成にしても犯人像にしても私の好みのタイプの小説ではなかったのだけど、唯一気に入ったのは「小橋」というキャラクターだった。私が読んだのは文庫本版だったのだけど、文庫本には本編に関係ないオマケと言うか後日談が掲載されており、小橋がたいへん可愛くて良かった。私、小橋となら美味しいお酒が飲める気がする。

それはそれとして。私は中村文則の作風は合わないみたいなので以後気をつけたい。

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