『ベルサイユのばら』を観たくて宝塚友の会に加入して9ヶ月…はじめて友の会経由でチケットを入手することが出来た。手にしたチケットは『ROBIN THE HERO』『オーヴァチュア!』1階S席。今回は「1度宝塚を生で観たみたい」と話していた仲良しのご近所さんをお誘いした。
宝塚初心者とは言うものの、私も初宝塚の方をエスコートできるくらいには慣れてきたのだと思うと胸熱である。
宝塚の感想を書く時は毎回書いているけれど私はヲタクで宝塚歌劇を愛しているものの、ガチガチの宝塚ファンではないのでヅカ用語は使いませし愛称で呼んだりもしません。
スターは敬称略が礼儀…と考えているので「さん付け」表記はしませんのでご容赦ください。(もちろんご本人と対面で話をする機会があれば『さん』付けでお呼びします)
桜咲く花の道
私は10代の頃から宝塚には何度となく足を運んでいるものの桜の時期に訪れるのははじめて。
宝塚駅から宝塚大劇場まで続く「花の道」を歩くたびに「桜の時期は綺麗なんだろうなぁ」と思っていたけれど52歳にしてはじめて桜の花咲く花の道を歩くことができた。

桜咲く花の道
花の道を歩いて大劇場に向かう人達の中には私と同じ人も多かったようで「桜の咲いている時に歩くのは初めてなのよ~」と口にしている人を何人も見掛けた。
花の道は演劇で言うところの「花の道」をイメージして作られているため、1段高くなっている。ちなみにタカラジェンヌ達は花の道を歩くことはできない。先輩を見下ろして歩くのはご法度…とのこと。
お客様として訪れる私達は桜の花を楽しみつつ宝塚大劇場へと向かった。
『ROBIN THE HERO』

ROBIN THE HERO
さて。今回の雪組公演『ROBIN THE HERO』『オーヴァチュア!』は雪組のトップ朝美絢のお披露目公演。先の雪組公演『ベルサイユのばら』でオスカルを演じていた朝美絢は今回ロビンフッドに扮している。
宝塚の男役トップは全員容姿端麗ではあるけれど、朝美絢はその中でも特に「顔面が強いな」と感じた。整った顔立ちはスターそのもの。男前系…言うよりも可愛らしさを残した感じの男役さん。華やかで笑顔が美しかった。
『ROBIN THE HERO』は若き日のロビンフッドをテーマにしてた宝塚オリジナルの演目だったのだけど、今回は宝塚税の税率が高めだった。
宝塚税とは…私が個人的に使っている言葉で宝塚独特の脚本や演出のことを指す。宝塚では一般的な舞台では「うわぁ~引くわぁ~」とか「意味分からんわ~」みたいな演出が盛り込まれることがある。謎にコメディ要素を突っ込んできたり、どう考えても寒過ぎる言い回しをしてみたり。
最近の宝塚歌劇は宝塚税の税率が低めで一般のミュージカル好きでも受け入れやすい演出が多かっただけに今回の『ROBIN THE HERO』は正直古さを感じてしまった。
私は宝塚ガチ税ではないので、宝塚の演目がどのような趣旨で選ばれるのかは知らないのだけど、トップスターお披露目公演にしては気の毒な演目ではないかと思った。
トップスターのロビンフッドは始終緑色の衣装を着ていて場面によっては覆面をしていたのに対して、2番手男役は悪役ポジション。赤と黒の衣装でマント着用。ビジュアル面において明らかに2番手の方が目立ってしまうしカッコ良く見えてしまった。
あ…個人的に雪組2番手の瀬央ゆりあは私の好みのタイプの男役だった。ちょいと男臭い感じの美男子系。一方、トップスターの朝美絢は華やかな容姿の可愛さが残る男役(だからこそオスカルは最高に似合ってたのだけど)瀬央ゆりあの方が目立ってたんじゃないかな…と気になってしまった。
もちろん、朝美絢が駄目だ…って言いたい訳じゃない。途中、舞台を降りて客席通路を走り抜ける演出があったのだけど、今回は通路横の1階席だったためすぐ横を朝美絢が駆け抜ける…という体験をした。まぁ魂、持っていかれるよね。良い匂いがしました…マジで。
それにしても。娘役と男役が「とりかえばや」状態になる設定…あれって必要だったのかな?
確かに朝美絢は可愛らしさの残る男役なのでロビンフッドの格好で女性を演じて違和感はなかったけどせっかくのトップお披露目なのだから思い切り格好良さをアピールしても良かったように思う。
今後、朝美絢の個性に合った演目に恵まれるといいな…と心から思った。
最後の場面でロビンフッドが客席ではなく舞台の方を向いて「これからこの国のために頑張ります」(正しいセリフは覚えていない)と宣言する演出は、トップ披露公演として良かったな…と思った。トップスターとして雪組を引っ張っていって欲しい。
『オーヴァチュア!』

オーヴァチュア!
そして休憩を挟んでショー『オーヴァチュア!』だけど、こちらも宝塚税の税率高めな演出だった。場面展開はかなり強引で「これぞ宝塚」って感じではあったけれど。宝塚特有の謎の掛け声「うっ!」とか「はっ!」とかも多かったなぁ…と言う印象。
クラッシックの名曲をオマージュしたものが多かったので、クラッシック好きの私としは耳慣れた曲が多くて楽しめたのは良かった。
『ROBIN THE HERO』の衣装では分からなかったけれど、娘役トップの夢白あやの手足の長さと身体の線の細さに驚愕した。
宝塚の娘役さんは華奢な体型の方が多いけれど、その中でも群を抜いていて「よくあの細さで踊れるなぁ」と。『ベルサイユのばら』ではマリー・アントワネットを演じていたけど、あの時の衣装は豪華絢爛だったから体型については意識していなかった。『オーヴァチュア!』の衣装は露出度めだったので「えっ? こんなに華奢で手足が長いの?」と。宝塚の娘役トツプ…恐るべし(一般人は憧れても良いけど真似しちゃ駄目なヤツ)
宝塚税の税率は高めではあったものの一生懸命さの伝わる良いショーだったと思う。
私の次の宝塚観劇は星組『阿修羅城の瞳』。劇団☆新感線ヲタクとして宝塚版の『阿修羅城の瞳』をしかと見届けてこようと思う。