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俺たちの箱根駅伝 池井戸潤 文藝春秋

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池井戸潤は一時期「もう読むもんか」みたいな気持ちになっていたけれど前回読んだ『陸王』が気に入ったので、箱根駅伝がテーマだと言う『俺たちの箱根駅伝』も読んでみることにした。

なお、私は箱根駅伝どころかスポーツ全般に興味がない。娘が本気で取り組んでいた体操と夫が大好きなサッカーはそれなりに興味を持っているけれど、本質的にガチガチのヲタクなので箱根駅伝については「毎年、正月に放送されてるヤツ」くらいの認識でしかない。

箱根駅伝がテーマの三浦しをんの『風が強く吹いている』はそれなりに読めたので『俺たちの箱根駅伝』もそれなりに楽しめるかな…とは思っていた。スポーツしなくても『キャプテン翼』や『タッチ』と言ったスポーツ漫画は楽しめるアレと同じ。

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俺たちの箱根駅伝

ザックリとこんな内容
  • 明誠学院大学陸上競技部は箱根駅伝で連覇したこともある名門校だが、ここのところ低迷していた。長年、陸上競技部を率いていた監督が予選会の後に引退宣言をし、新監督、甲斐が就任する。
  • 一方、「箱根駅伝」中継を担う大日テレビ・スポーツ局のプロデューサーの徳重は、編成局長の黒石から降ってきた難題に頭を抱えていた。

感想

『俺たちの箱根駅伝』の感想をひと言でまとめると「前半は面白かったけど後半はつまらなかった」って感じ。

たぶん…だけど映像化前提で書かれた作品なのだと思う。低迷している陸上競技部に颯爽登場した新監督の甲斐は「半沢直樹」そのまんま…って感じ。群像劇ちっくに仕上がっていて、登場人物がやたら多いわりには1人ずつしっかり背景が書き込まれている。

半沢直樹的なノリの爽快の物語は読んでいて単純にスカッとする。

もしかしたら本気で陸上に取り組んでいる人が読んだらツッコミどころがあるのかも知れないけれど、知識ゼロ…どころか「駅伝って何が面白いの?」くらいの人間にとって、駅伝にまつわる話は興味深いものがあった。

ただ、残念なことに私は本質的にスポーツが好きじゃないので、後半の駅伝本番の描写になってからは面白く読むことが出来なかった。チームが駅伝に挑むまでの準備段階のターンまでは、あんなにワクワクして読んでいたのに駅伝が始まってからは心が「スン」と静まり返ってしまって、そのまま最後までいってしまったのだ。

だけど後半の駅伝本番ターンはスポーツが好きだったり、駅伝が好きだったりする人だったら、むしろ楽しめただろうと思う。

薄々分かっていたけど、私。やっぱり根本的にスポーツの世界は無理みたい。

これは個人の趣向の問題なので小説の出来…となると違ってくる。お正月に箱根駅伝を楽しみにしている人にはオススメしたいし、陸上とかスポーツ観戦が好きな人だったら楽しめる作品じゃないかな…と思う。

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