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砂漠の青がとける夜 中村理聖 集英社

第27回小説すばる新人賞受賞作。ツイッターで評判が良さそうだったので手に取ってみた。表紙が素敵だ。

物語の舞台は姉妹で切り盛りする京都のカフェ。主人公は元編集者でウェイトレスをする次女。カフェで腕をふるうのは長女。

設定も内容も全然違うけれど、群ようこの『かもめ食堂』を彷彿とさせる雰囲気。

そう……これは雰囲気小説だった。私はどうして同じ失敗を繰り返してしまうのか。

スイーツ風のカフェ小説は地雷だと分かっていたはずなのに、あえて挑戦してしまうだなんて。

ツイッターで流れてくる感想は出版社にとって都合のいい感想だけだって事くらい分かっているはずなのに、完全に見誤ってしまった。

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砂漠の青がとける夜

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溝端さんと会わなくなってから、人肌の温度を深く味わう機会はほとんどなかった。準君の気配を感じようとすると、高校生の頃初めてできた彼氏の穏やかな声を思い出した。

痣があるはずの腕の温もりを思うと、大学時代に随分長いこと付き合った、一つ年上の先輩の部屋の匂いを思い出した。付き合いそうで付き合わず、何となく疎遠になった男の人たちの肌の記憶が、私の中で蘇る。

けれどこの部屋には誰もいない。卓上ライトの光が青白さを孕んでゆくように思い、私は無性に寂しくなった―。

アマゾンより引用

感想

実際、悪くはないと思う。決して全否定するつもりはない。この類の作風って好きな人は好きだと思う。

ひと言で説明すると「どこかで読んだことのあるようなスイーツ小説」なのだ。

良くも悪くも新人賞っぽくない。「ちょっと雑だけど、ここだけは良かった」という感じではなく、丁寧に書かれているなぁ……という印象。だけど一歩抜きに出る物もない。

作者は福井県出身とのことだけど、どうして京都を舞台にしたのだろう?

大学も京都ではないようだし。京都と言う土地の雰囲気がいまいち感じられなかった。ガイドブックを読んでいような印象。

主人公姉妹は転勤族の子どもとして育っていて、キーパーソンとなる男の子も「両親は京都の生まれじゃないから」と標準語を話している。

京都に馴染みのない人達を出すのに、どうして京都と言う特殊な土地を選んだのだろう? 異邦人感を演出したかったからだろうか。

物語は淡々と進んでいくのだけど、登場人物達の感情のうねりが全く伝わってこなかった。

なんだか遠くからお人形遊びを眺めているような感じ。

人の生死とか、挫折とかがテーマになっているのにアッサリ処理し過ぎている気がする。そんな簡単に消化出来るかな……と不思議に思ってしまった。

ツイッター経由で本を選ぶのはやめようとハズレを引くたびに反省するのに、たぶん私はこれからも同じ過ちを繰り返していくのだと思う。

だって大当たりを引く時だってあるのだもの。今回はハズレだった。それだけの事だ。実に無念である。

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