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言問 領家高子 講談社

自分の肌感覚に合う作家さんに出会ってしてしまった。

領家高子の文章はかなり好きだ。ちょっと硬めで、地味めで、控えめで。画に例えるならエッチングの習作みたいなものだろうか。水墨画ほど渋くはないけど……という印象。

ヒロインは現代の花街で生きる若い芸者さん。

芸者さんが主人公の小説は沢山あるけど、たいていは古い時代が背景になっていて「現代に生きる芸者さん」が主人公のものは初めて読んだように思う。それだけでも充分新鮮に感じた。

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言問

満々と水をたたえた隅田川を見つめる芸者芳恵と二人の男。人をつき動かす愛の連なり、愛の哀しみ。恋愛小説の秀作。

アマゾンより引用

感想

物語の筋は面白いというほどでもないし、主人公が取り立てて魅力的というほどでもないのだが「その街に生きる人達」がそれぞれに粋で、街の雰囲気に浸れる小説なのだ。

世界がしっかりしていて独特の味わいがあって素敵なのだ。

花街なだけに色恋の話もいくつかあるのだけれど不思議と「ドロドロ」としたイメージがない。「あぁ、そういうことって、あるかも知れない」と思えるような大人びた恋である。

街の雰囲気や、ご隠居達の横顔なんかを楽しむためだけに読むのもいいと思う。

サバサバとした人付き合いの様子が、なんとも味わい深い。あぁいう「粋」の世界は、東京でないと駄目だなぁ……と思った。

京都にも祇園があるし、地方にも芸者さんが活躍している(いた)土地もある。

宮尾登美子の小説にも芸者さんが出てくるし、最近読んだものでは『長崎ぶらぶら節』にも芸者さんの世界は描かれている。

地方には地方の味があるけれど、洗練度となると引けを取るように思う。

やはり東京の芸者さんは日本の政治経済を牛耳る男達が遊ぶ街だというプライドと、敷居の高さが関係しているのだろうか。

作品には直接関係ないけれど、領家高子は犬好きなのか、たくさん登場する犬の描写がとても良かった。飼い主のイメージと犬のイメージわ上手く合わさっていたのだ。

犬好きが集うバーのマスターが飼っていたのはラブラドールレトリバーだったし、ゲイの男性にプラトニックな愛を捧げ、ついには結婚を決意した歯科医の女性はパグ犬を2匹飼っていた。

犬の選択があまりにも上手過ぎ。

あとがきで、領家高子のお母様が置屋をしていたという話を読んで、芸者さんのリアルな描写の理由になるほど納得。

この作品は三部作の最終作らしいので、一作目、二作目も読んでみようと思う。

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白い木蓮の花の下で
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