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妻の部屋 遺作十二編 古山高麗雄  文春文庫

妻に先立たれた70代の作者、古山高麗雄が、若い頃を回想したり、妻のことを回想したり、あるいは1人で生きる生活についてを書いた随筆集。

このくらいの年代の男性とお付き合いのない私にとっては、ある意味において新鮮ではあった。

ただ1冊の本として、あるいは文学として読むならば、そこそこの作品だと思ったが読後感の悪い嫌な1冊だった。

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妻の部屋 遺作十二編

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誰もいない自宅で急死した妻の部屋で残された夫は、妻の布団に寝転がり追憶に浸る―。

「断作戦」「フーコン戦記」など、風化にまかされる戦争の記憶を終生つむぎ、亡妻、旧友を偲びつつ、年輪を刻んだ作家の、老いゆく日々をしるす名篇の数々。

ほろ苦く澄明な、心に沁み入る稀有な文章は、ただ生きてあることへの勇気を与える。

アマゾンより引用

感想

悪くないのに「嫌な感じ」と書いたのには訳がある。じつはこの作品、本屋で題名に惹かれて購入したのだが、なんとなく「老夫婦の愛と絆」みたいな話を期待していたのに、非常に冷え冷えとした夫婦の話で肩すかしを喰らってしまったのだ。

世間に仲の良い夫婦もいれば、そうでない夫婦もいる訳で、こういう形もアリだとは思うのだけど、結婚を前にして読む本ではなかったな……と。

古山高麗雄夫妻は冷え冷えとした関係の中で、それでも離婚という選択をしないまま添い遂げたのだけど、相手をこれっぽちっちも大事に思っていないのに「夫婦」であり続ける姿に、軽く不愉快を感じてしまった。

なんかこう……熟年離婚する夫婦のほうが、よほど爽やかで健全だなと。

金婚式を迎えて「不満もあったろうけど、色々ありがとう」と話した夫の言葉に対して、妻は日記に「あの人は口の上手い人だから、本心かどうか」と書いているのだ。「あなとと結婚して、いいことなどひとつも無かった」と言い続けている。

妻も不幸なら、夫もまた不幸だ。夫婦でありながら慈しみあえないだなんて、気の毒だとしか言いようがない。

この作品を読んでみて庄野潤三の偉大さを知った。

彼の作品って、毒にも薬にもならない面白みのない物だと思っていたけど、普通っぽくて、善意と好意に満ちているから、ホッっとする安心感があるのだ。

庄野潤三が多くの人から愛される理由が分かった……ってことが、最大の収穫かも知れない。

私は来年の2月に結婚するのだけど、夫になる人とは庄野潤三の作品のような関係を築きたいなぁ……と思う。

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白い木蓮の花の下で
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