お誕生日に「あなたのかたちのケーキ」を作ってくれるイタチおかしやさんと、その仲間達の物語である。
とても気に入っている絵本なのだが、なにが気に入っているかというと、いたちの作ったケーキの美味しそうなところが、素晴らしく良いのだ。
もりのおかしやさん
- 色鉛筆独特の可愛らしいタッチで描かれた挿絵が魅力的な絵本
- 「あなたのかたちのケーキ」を作ってくれるおかしやさんの物語
感想
ハリネズミのケーキは針が1本1本チョコレートで出来きていたり、ウサギのケーキはマシュマロで包まれていたり、トカゲのケーキは、七色の飴がコーティングされていたり。
それぞれ「あなたの形」でありながら、思わず食べたくなるような、それはそれは美味しそうんケーキなのだ。
主人公のイタチは、職人気質のケーキ職人で毎日、お客様のケーキを焼きつづけているのだけれども常連さん達が、イタチの誕生日にイタチのかたちのケーキを注文するという童話や児童文学にありがちな「秘密の贈り物」ネタ。
「友情って素晴らしい」とか「秘密の贈り物のドキドキ感」はあまり感じられなくて、ただ、ひたすらに「ケーキが美味しそう」に思える作品なのだ。
どんなことでも、自分自身が体験するのが1番リアルに感じられるし、なんだかんだ言っても、作り物の世界は、現実世界にかなわないと思うのだが虚構の世界は、時に現実よりも現実らしく現実よりも、より素晴らしく感じられることがある。
たぶん、この作品は、そんな中の1冊なのだと思う。
私事だが、どうしたものか「ケーキが食べたい熱」が高まっていてケーキが食べたい…ケーキが食べたい……と思っていたらば、この作品のことを思い出して、ふいに感想を書いてみようと思い立ったのだ。
著作権の関係上、ここで「美味しそうなケーキの絵」をお目にかけられないのが残念でたまらないくらいに、『もりのおかしやさん』に登場するケーキはは美味しそうなのだ。
甘いものの好きな方には、ぜひぜひ手に取っていただきたい1冊である。