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助教授ルリコの恋 谷村志穂 集英社

それほどの力作だとは思えないし、上手いってほどでもないのだけれど、なぜかドップリとハマってしまった。

35歳の助教授ルリコと、36歳で妻子持ちのロッカーの愛人と、ルリコの飼い猫ニャンタロウの物語。この2人と1匹が、なかなか良い味を出していた。

題名に「恋」という言葉が入っているが、恋愛小説ではないように思う。

もちろん、その要素だってあるのだけれど物語の軸はは主人公の転換期だと思う。

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助教授ルリコの恋

進化生物学の助教授ルリ子とミュージシャンの蓮太郎。ともに三十路の愛人同士。そしてメス猫ニャンタロウ。穏やかな二人と一匹の日々だったが…。恋も仕事も波乱に満ちたルリ子と同居人の愛情物語。

アマゾンより引用

感想

物語の中盤までは「なんの変哲もない軽い読み物」という感じで少々退屈だった。

主人公の人間性は面白かったが「面白い」という以上のものは無いかな……と。姫野カオルコの作風と少し、かぶるのだが姫野作品ほどキレは無いと言うか。そ

れが中盤以降、ルリコが苦境に立ってからは唐突なほど面白かった。

ルリコ自分自身を整理するために沖縄へ行ってジタバタ考えるくだりに、すっかりハマってしまった。

私も、2~3日でいいから、1人でどこかに遊びに行きたいなぁ。たんなる楽しみとしての旅行も良いが、方向転換のためのアイテムとしての旅行も悪くない。

メソメソしたり、ジタバタ行動したりする中で主人公が見事に脱皮する姿は壮観だった。

谷村志穂の作品に触れるのは3冊目だが、前の2冊は「人として駄目みたい」ってタイプの主人公達で、面白いながらも後味が悪かった。

しかし、今回の作品は後味が良かった。不安定なところを抱えつつ、それでもちゃんと脱皮していける主人公に好感を持った。

あとがきにあった作者の言葉も良かった。

なんとか強くあろうとする、美しくあろうと努める、そんな人が素晴らしい人なのだと私は思っている。

まったくもって同感だ。

「強くある」というのは、ものすごくムツカシイ。だが「強くありたい」と願い、そのために進んでいくことなら誰にでも出来る。私にも出来る訳だ。

強く、そして美しい人になりたい…なんてことを思った。

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白い木蓮の花の下で
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