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『私を笑わないで』から考えるダイエットと容姿否定について。

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近所の人から漫画アプリの『comico』で連載されている『私を笑わないで』が面白いと聞いたので読んでみた。

たぶん、流行ったのは少し前の事だと思うのだけど「なるほど。これは流行るわ」と納得してしまった。

『私を笑わないで』は過激なダイエットをテーマにした少女マンガ。面白いと言うよりも考えさせられるところが多かった。

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私を笑わないで

ザックリとこんな内容
  • 主人公はルームシェアで暮らす高卒で働く女性、愛莉とひかる。
  • 愛莉は痩型。ひかるはポッチャリ体型。
  • 2人も親が毒親タイプで愛情に飢えている設定。
  • 愛莉は失恋がキッカケで摂食障害になり、ひかるは過激なダイエットに手を出すようになる。
  • ルームシェアは破綻。愛莉は新しい恋人と同棲をスタート。
  • ひかるはホストにハマりキャバ嬢になる。
  • 愛莉とひかるが堕ちていく過程と、立ち上がっていく姿を描く。

comicoをDownloadすれば無料で読めますが「アプリは嫌だ」って場合はアマゾンでKindle版が発売されています。

「ちょっとだけ読んでみたいな」って場合は無料で読めるアプリがオススメです。

感想

摂食障害や過激なダイエットについてはテレビ番組等で知っているつもりでいたけれど『私を笑わないで』に描かれていた内容は知らない事が多くて衝撃的だった。

主人公のひかるはホストから輸入物のダイエット薬を勧められてダイエットに成功するのだけど、副作用が酷くて身も心もボロボロになっていく。

ビックリしたのがコメント欄に「私も海外製のダイエット薬を使ったことがあります」と書いている人が多かったこと。

海外製のダイエット商品については、数年前に死者が出て問題になったことがある。「それでも使う人はいるんだろうな」と思っていたものの、今でも予想以上にカジュアルに利用されいてビックリしてしまった。

海外製のダイエット薬以外にも「いや…それはアカンって…」とか言いようのないダイエット方法が実践されているのだけれど、主人公達は過激なダイエットがキッカケで健康な身体を失ってしまう。

過激なダイエット方法の危険性をしっかり描いた作品だと思う反面「危険性は分かっているけれど、それでも痩せたい」と考える人もいるんだろうなぁ…とは思う。

私も娘を持つ母なので、娘にはしっかり言い聞かせていきたいと思う。

ダイエットの問題は「うちの子は関係ない」なんてありえない。

女性だけでなく男性も同じだと思う。漫画の中で主人公のひかるにダイエット薬を勧めたホストは自分もダイエット薬を使って痩せた経験がある…と言う設定だった。

毒親育ちの闇

主人公達は2人も毒親育ち。

摂食障害に変わらず、毒親育ちの人は精神疾患にかかる比率が高いと言われているけれど『私を笑わないで』の主人公達はまさにその典型だった。

毒親については本読み的は姫野カオルコが毒親をテーマにした作品を多く書いているけれど、毒親と言っても色々なタイプがある。

「子どもは親を選ぶ事が出来ない」と言われるけれど、自分が親になってみると毒親って人達に育てられた子が可哀想でならいし、毒親達に怒りを覚えずにはいられない。

実のところ私の親も毒親…とまでは言わないけれど、かなり残念な人ので余計に思い入れてしまうのだと思う。

他人の容姿を否定しても良い世界

『私を笑わないで』と言う題名は作品の軸になっていると思う。

主人公達が「太っている」ってことにコンプレックスを抱いてしまったのは「太っていると他人から笑われる」ってことが根本にある。

「太り過ぎが健康に良くない」ってことは間違いない。

私も夫や実の弟のには口を酸っぱくして「食べ過ぎ注意」「カロリー取り過ぎに注意」と言うけれど、それはあくまでも身内だから言えることであって、他人に言ったりはしない。

世の中は「平均値からはみ出た容姿の人はディスってOK」みたいなところがある。

  • デブ
  • ハゲ
  • チビ(またはその逆)
  • ブス

これまでも何度となく日記に書いているけれど、私は身長が143センチしかない。一般的に言うと小学校4年生女子の平均身長と同じくらいだ。

「女の子は小さい方が可愛くていいよね~」くらいに言ってくれる人もいるけれど、これまで生きてきて酷いことを言われた事は1度や2度ではない。

「病気じゃないか?」「子ども産めるのか?」「障害者も同然」みたいな事を言う人もいた。

子どもの頃は病気で薬を飲んでいて、ムーンフェイスと言う状態だったので、それについても散々言われてきたため「容姿をディスられること」の辛さは少しだけ分かる。

人の容姿を表立ってディスってくる人は男性も女性も同じくらいいる。

もしも世の中に人の容姿をディスる人がいなくなったら、過激なダイエットに身を投じる人は激減するんじゃないだろうか?

『私を笑わないで』と言う題名には「平均値からはみ出た容姿の人はディスってOK」と言う社会の風潮に対する批判が込められているんじゃないかな…と思う。

久しぶりに漫画を読んで熱くなってしまった。

『私を笑わないで』はハッピーエンドで終わっているけれど、実際に辛い思いをして暮らしている人が多いから、こういう作品が生まれるのだと思う。

スマホアプリで読める漫画は当たりが少ないのだけど、読み応えのある良い作品だった。

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