娘が体操を習い始めてもうすぐ丸2年。
もしかすると4月末あたりで体操を辞めることになるかも知れない。
「とりあえず体操から離れてみて頭を冷やしてみたらどう?」と言うことで、春休みは大阪市内の教室に行くよう申し込んできた短期教室をキャンセルして、娘が「行ってみたい」と言う塾の春期講習を申し込む事にした。
娘が体操を辞めるのは構わない。ただ辞めてから「やっぱり続けておけば良かった」と後悔しないで欲しいのだ。
人間は失ってみて初めて大切な物の価値を知る生き物なので、体操教室の春休み期間は体操から離れて、ゆっくり考えてみたら良いと思う。
……とは言うものの。娘の話を聞いてると、ほぼ8割ほど「辞める」に傾いてるように思う。
体操を習い始めた頃は「バク転出来た!嬉しい」「前宙出来た!嬉しい!」だけで突き進んでいたけれど、大会に出るようになってからは「大会で勝つこと」に目標が変わってしまっている。
残念なことに、体操をはじめたのが遅い娘が小さい頃から体操をはじめた子に勝つのは難しい。
「娘が小さい頃に体操と出会っていればなぁ…」と思わなくもないけれど、仮に娘が5歳の時に体操と出会って「選手コースに入りませんか?」と誘われたとしても、私は決断出来なかったかも知れない。
実際、同じ教室に通っている5歳の子は選手コースに声がかかっているのだけれど「小学校入学までに必ず返事をください」と言われている。
娘の体操教室の場合、選手コースに欲しいのは小学生以下の子に限られている。
体操って「小さい頃から体操の身体を作って基礎を叩き込んでいく」事が重要になってくる。9歳で体操を習いはじめた娘は5歳で体操をはじめた子には勝つのは難しい。
選手コースに声が掛かるのは嬉しい事だけど、選手コースに声がかかった親御さんは悩んでいる。「子どもは喜んで体操に通っているけれど、まだハッキリした意思を持っていない子に、そこまでやらせていいのかどうか」と。
選手コースに入ったら、週6で2時間レッスン。片道1時間弱かかる大阪市内の教室まで毎日送迎。日曜日も外部練習や大会、合宿などがある。家族一丸となってお金と労力と時間を捧げなければ続けていくことは出来ない。
体操の選手コースに入ると言うことは『進撃の巨人』で言うところの「心臓を捧げよ!」と同義なのだ。
「娘がもっと早く体操と出会っていれば」と思うと残念ではあるけれど、娘が幼稚園の頃に体操に出会っていても、そこまで突っ込んでいけなかったと思う。この2年間、体操に突っ込んできたのは、娘が「体操大好き。もっと体操上手になりたい」とハッキリした意思を示してくれたからだ。
きっと娘は大人が思っている以上になんて事なく気持ちを切り替えていくような気がする。
私は知っている。娘の性格は「女の恋は上書き保存」を地で行くタイプだ…ってことを。
実際「何なら練習の回数を減らして、体操は楽しみとして小学校卒業まで続ける…って方法もあるよ?」と提案してみたけれど「そんな程度の練習じゃ意味ないから、やらない方がマシ」と却下している。
娘が本当に体操を辞めたら娘より私の方が体操ロスになりそうだ。
- 週5で体操送迎
- 体操のある日の夕食は17時スタート
- 公文のある日は小学校の校門で娘を待ち伏せしてランドセルと公文バッグをチェンジしてからの公文→夕食→体操。
- 練習時間の長い日は体操が終わってからの軽食
思えば、なかなかストイックな毎日だった。
毎日忙しくて「こんな生活、もう嫌だ」と思っていたけど、娘が体操を辞めたら間違いなく暇になる。私の体操ロスを埋めるために、外に出て働くことを検討しても良いレベルだ。
娘はこの春小学校6年生になる。体操を辞めるにしても、続けるにしても自分の将来を考える良い機会になるだろう。娘がどういう決断をするのか、黙って見守っていきたいと思う。