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宝塚歌劇。2026年花組『エリザベート-愛と死の輪舞(ロンド)-』感想。

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宝塚歌劇、花組公演『エリザベート-愛と死の輪舞(ロンド)-』を観劇した。

『エリザベート-愛と死の輪舞(ロンド)-』はウィーン・ミュージカル『エリザベート』の宝塚版。脚本・歌詞はミヒャエル・クンツェ。音楽はシルヴェスター・リーヴァイ。初演から30年経った今でも宝塚歌劇の人気演目として君臨し続けている名作。

現在54歳の私は初演を観劇している。初演はトートが一路真輝、エリザベート(シシィ)は花總まりだった。それ以降も何度となく再演されていて、宝塚歌劇ファンにとって特別な作品。界隈では「80年に1度のチケット難」とも呼ばれていて、かつてないほどチケットを確保するのが大変な公演だった。

今回の公演は宝塚友の会でご用意してもらったS+席(10列目台)のセンターだった。なおルドルフ役替りで2回観劇するので、2回目の観劇後に感想を付け足す予定。

宝塚の感想を書く時は毎回書いているけれど私はヲタクで宝塚歌劇を愛しているものの、ガチガチの宝塚ファンではないのでヅカ用語は使いませんし愛称で呼んだりもしません。

スターは敬称略が礼儀…と考えているので「さん付け」表記はしませんが、ご容赦ください。(もちろんご本人と対面で話をする機会があれば「さん」付けでお呼びします)

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エリザベート-愛と死の輪舞(ロンド)-

エリザベート-愛と死の輪舞(ロンド)-

エリザベート-愛と死の輪舞(ロンド)-

さて。今回の『エリザベート-愛と死の輪舞(ロンド)-』。一部界隈では過激な評価もあるようで、特に初演から観劇している「古参」と呼ばれる人達にとって「物申す」な部分もあったみたい(知らんけど)

これは私個人の意見なのだけど宝塚歌劇に限らず、舞台は「役者と舞台関係者が作る壮大な二次創作」と考えているので、役の解釈1つとっても色々な形があって良いと思っている。トートにしてもシシィにしてもルキーニにしても演じた人の数だけ形が違うのは当たり前のことだ。

さらに言うなら海外ミュージカルは物語的に見ると内容的には残念であることが多い。『オペラ座の怪人』にしても『ノートルダムの鐘』にしても『南太平洋』にしても、登場人物達は人間的に薄っすらクズだったり「はぁ? 純愛? いやいや不倫ですから」みたいな恋だったりする。

『エリザベート-愛と死の輪舞(ロンド)-』は私にとって大好きなミュージカルではあるものの、登場人物達はツッコミどころ満載。物語自体もあって無いようなものだ。

そもそもミュージカルは総合芸術なので曲自体だったり歌だったり、役者の演技や舞台装置などが合わさって完成されるものなのだ。

それらを考慮した上で、人それぞれに好みはあると思うのだけど、私は2026年花組の『エリザベート-愛と死の輪舞(ロンド)-』を存分に楽しんできたし素晴らしい舞台だと思っている。

トート閣下について

永久輝せあ演じるトート閣下について。永久輝せあは『悪魔城ドラキュラ』でも長髪キャラを演じていたけど、長髪が実にお似合いだと思った。人外とかキャラクター物が似合う男役さんなのだと思う。

トートは役どころ的に死神なので、今までは風格がある雰囲気で演じられることが多かったように思うのだけど、今回のトート閣下はちょっと違ってた。死神だけどなんだかちょっぴり愛らしいのだ。

人間のシシィに「恋をしている」って感じが伝わってきたし、動きの端々が可愛らしい。それは永久輝せあの演技の賜物なのか、それとも意図した演出だったのかは分からないけれど新しいトート閣下って感じがしてとても良かった。

特に印象的だったのがシシィの寝室に現れるトート閣下。神出鬼没の死神なのでクローゼットから登場して、シシィを死へと誘惑するのだけどシシィから「帰って」と拒絶されてしまう。神出鬼没の死神なのだから元来た場所へと帰るのかと思いきや、すごすごと部屋の扉から退出していく。それも名残惜しそうにちょっぴり振り返ってみたりして。

……可愛いかよ!

あの場面はちょっと可愛くて参ってしまったよね。死神なのにメンタルが中学生男子みたいで。

じゃあ子どもっぽいかと言うとやはりそこは死神なので、ルドルフを死へといざなう場面などではしっかり死神でカッコイイ。ちゃんと悪くて死神だった。ルドルフくんも閣下に連れて行かれるのなら諦めもついただろう。

現代女性を体現するシシィ

星空美咲が演じたシシィ(エリザベート)は「現代的な女性」って感じがしてとても良かった。

歴史の中を生きたエリザベートがどんな女性だったのかは本当のところ誰にも分からないと思うのだけど、今回のシシィは若くて元気で意志が強い女性だった。特に少女期のシシィは素晴らしかった。宝塚歌劇のテンプレート的な娘役……と言うよりも、もう少し現代に寄せたイメージ。

しかし後半は様々な経験を通してシシィは大人になっていく。

シシィが少女の頃、死にかけてトートに初めて出会った時、彼女は子どもでしかなかったけれど、いつしかトートの精神年齢を追い越していく。そりゃあ、あれだけ意志の強い女性に育ったら死神相手に「帰って」と拒否できるよなぁ~と納得した。

フランツ・ヨーゼフ

シシィの夫、フランツ・ヨーゼフを演じたのは聖乃あすか。

そもそも役どころ的にフランツ・ヨーゼフはいまいち残念な役回り。支配的な母と意志の強い妻に挟まる立場で身の置き所がない。妻のシシィを愛しているのに、なかなか思い通りにはならないし、圧の強い母から抑えつけられていて可哀想なお立場。

それでも聖乃あすかのフランツ・ヨーゼフはシシィを愛していることが伝わってきたし「陛下は充分頑張っておられますよ」と声を掛けたくなるような優しさが感じられた。

気品のある佇まいなのも良かったなぁ。「皇族ってヤツはこうあって欲しいね」って形を体現したフランツ・ヨーゼフだと思った。

ルドルフ役替りについて

ルドルフは役替りなのでどちらのルドルフも記録しておきたい。ルドルフはシシィの息子で拳銃自殺を図ってトートに連れて行かれる王子様。なかなか不憫な役どころではある。

そもそもとしてシシィは今風に言うと毒親でしかない。毒親に育てられると子どもは可哀想ですね……みたいな姿を体現しているのがルドルフと言える。

希波らいと

らいとルドルフは「正統派の王子様」って感じだった。それなのに革命運動に突っ走ってしまうあたりも「お育ちゆえの無謀さ」ってところが見て取れた。

真面目で一所懸命。一直線に死へと進んでいく感じが良かったと思う。それにしても美形でお背が高い。金髪も王子様感があって良い。少女マンガから出てきたような正統派の男役だなぁ~と感心した。

侑輝大弥

来週末に観劇したら追記します。

チンピラ感あふれるルキーニ

『エリザベート-愛と死の輪舞(ロンド)-』の中で狂言回し役としてのルキーニが私は大好きなのだけど、今回のルキーニは極美慎が演じていた。

ラストでシシィを殺す役でありつつ、要所要所でトート閣下との絡みがあって芝居の中でとってもオイシイポジションだと思う。きっと私以外にもルキーニを愛しているファンは多いと思うのだけど、極美慎のルキーニはかつてのルキーニとは少し違っていた。

なんと言うのかな、ダークヒーローって言うよりも愛すべきチンピラって感じで可愛かった。1つ1つの動きがキュートで、大型犬が戯れているような愛嬌があった。

そして先に書いたけれど、ちょっぴり可愛いトート閣下とチンピラルキーニのツーショットはバッチリハマっていたと思う。

極美慎……良いじゃない。新しいルキーニ像だと思った。

シシィの衣装について

あまり否定的な感想は書きたくないけれど、どうしても……どうしても許容できない一点については書き残しておく。

今回の『エリザベート-愛と死の輪舞(ロンド)-』の画像が公開された時、多くのファンから「シシィの衣装が安っぽい」との意見が出ていた。しかし一部ファンの間からは「舞台本番では修正してくるのでは?」との声もあり、私も「舞台を観るまでは何も言わない」と決めていたけれど、本番の舞台の衣装もやっぱり安っぽいものだった。

これは演者に対しての意見ではなくて、劇団に対する意見として受け止めていただきたいのだけど『エリザベート-愛と死の輪舞(ロンド)-』におけるシシィはルッキズムの権化のような存在で「ダイエットやめて美貌が保てなくなるくらいなら死んだ方がマシ」みたいな考え方の女性。度を越したダイエットと美容に走り、衣装に対しても異常なコダワリをを持っている。

数ある宝塚歌劇の演目の中でも『ベルサイユのばら』のマリーと『エリザベート-愛と死の輪舞(ロンド)-』のシシィの衣装はケチってはいけないと思うのだ。私はシシィを演じた星空美咲に豪華な衣装を着せてあげたかった。無念である。

確かに初演はバブル経済の名残がまだあった頃で、何でも豪華な時代ではあったし、今の時代は事情が違っているのは理解しているものの、舞台芸術を作っていく上で大事なポイントは押さえておいて欲しかった。

次は月組『天穹のアルテミス』

残念ながら今回も私は特定のタカラジェンヌさんに恋に堕ちることはなかった。私もアクスタ買ったり、ぬいぐるみ買ったりして推し活したいのに。

次のターンの観劇は月組『天穹のアルテミス』の予定。私はチケットをGETできなかったのだけど、共闘している友が宝塚友の会でご用意してもらったS+席。そしてさらに先の宙組公演『The London Way』のチケットはVpassで確保出来ているので、宝塚大劇場での観劇はコンスタントに続きそう。

素晴らしい舞台を観てリフレッシュしたことだし、真摯に労働に励んでチケット代を捻出したい。

宝塚歌劇感想
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