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宝塚歌劇『ポーの一族』感想。

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宝塚歌劇、雪組公演『ポーの一族』を観劇した。『ポーの一族』は萩尾望都の漫画を舞台化した作品。

今回は宝塚歌劇団の中でも「最強顔面」と思われる朝美絢がエドガーを演じるとのことで前評判が高く、公演チラシが一瞬で無くなってしまい「お1人様1枚限りでお願いします」との但し書きがつくほどの人気っぷりだった。

『ポーの一族』ちらし

『ポーの一族』チラシ

今回の公演は宝塚友の会の3次抽選でご用意してもらったS+席。「3次抽選でも当たることがあるんだ!」と驚きでいっぱい。『ポーの一族』は2018年の花組での初演を観劇している。当時の私は「原作厨」としての観劇だった。

最近、宝塚大劇場での公演は「どの演目も1回は観たい」というスタンスで観劇しているけれど、いまだ推しもおらず特定の組を推すでもないゆるゆるスタイル。

宝塚の感想を書く時は毎回書いているけれど私はヲタクで宝塚歌劇を愛しているものの、ガチガチの宝塚ファンではないのでヅカ用語は使いませんし愛称で呼んだりもしません。

スターは敬称略が礼儀…と考えているので「さん付け」表記はしませんのでご容赦ください。(もちろんご本人と対面で話をする機会があれば『さん』付けでお呼びします)

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ポーの一族

エドガー&メリーベル

エドガー&メリーベル

最初にお断りしておくけれど、私は全組を観劇するスタンス。特定の組を推している訳ではなく、贔屓しているタカラジェンヌもいない。今回は初演を観た花組『ポーの一族』と比較するような感想になるけれども、あくまでも「私の好み」でしかなくて、どちらを推してどちらを貶す……って意図はないことをご了承戴きたい。

宝塚歌劇はどの組であろうと素晴らしいしタカラジェンヌさんは全員尊い…ってスタンスでいる。

そして私は『ポーの一族』に関して原作厨でもあるので、原作厨としての感想も入れていくし、そもそもネタバレ全開の感想なので「観劇前にネタバレ読みたくない」って方はご遠慮ください。

朝美絢が強過ぎた

これは私の個人的見解だけど、朝美絢の顔面偏差値は宝塚歌劇団の頂点だと思っている。綺麗過ぎる…。ルネサンス期の彫像みたいな顔してる。おおよそモンゴロイドの顔とは思えない。そんな最強顔面の朝美絢が美少年バンパネラ(吸血鬼)を演じるのだから綺麗なのは当たり前の話。「漫画から出てきたのでは?」くらいの勢いだった。

宝塚歌劇を観に行っても物を増やしたくないのでパンフレットは買わない主義だけど、今回はパンフレットを購入してしまった。表紙が綺麗過ぎて買わずに済ますなんて無理だったのだ。

初演の花組の時の明日海りおのエドガーも素敵だったけれど、朝美絢のエドガーだって負けてはいなかった。どちらが上とか下……って話ではない。

明日海りおのエドガーは「厨二病拗らせ少年的なエドガー」って感じで、少年っぽさがあったと思うのだけど、朝美絢のエドガーは人外の生き物……まさにバンパネラって感じがした。

私は人に対して朝美絢を語る時、ついつい最強顔面の話ばかりしてしまうのだけど、顔だけじゃないんだ。演技も素晴らしいんだ!

朝美絢はバンパネラになる前の幼かったエドガー、バンパネラになった後のエドガー、そしてメリーベルを失ってからのエドガーを見事に演じ分けていて感心してしまった。

強い娘役トップの爆誕

そしてメリーベルを演じた音彩唯。もうこれはメリーベルとしか言いようのないメリーベルだった。

実は私。音彩唯は『ベルサイユのばら』の時から「これは良い娘役さん」と目をつけていた。『ベルサイユのばら』の時、音彩唯は悪役ポジションのジャンヌを演じていた。ジャンヌとメリーベルとでは正反対の役どころなので「儚い系の女の子の役ってどうなんだろうな?」と思っていたけれど、 どうなんだろうも何もあったものではなかった。

美しく可憐で儚い完璧な美少女! こんなに可愛い子がいたら好きにならずにいられようか。そりゃあエドガーもアランも大事にするってもんだ。

音彩唯は娘役のトップになったばかり。これは先行き楽しみな娘役さん! 是非とも長く在籍して戴いて歌と演技をさらに磨いて戴きたい。めちゃくちゃ期待している。

エドガーとメリーベルの関係性

雪組『ポーの一族』の初日が終わった直後、X界隈では「今回の『ポーの一族』はエドガーとメリーベルが近親相姦的な関係になっているのでは?」みたいな説が流れていたので、原作厨でもある私も少し気になっていた。

原作でのエドガーとメリーベルはあくまでも兄妹だったけれど、宝塚歌劇にありがちな「超解釈」によって原作とは違う方向に進んでいるのかと警戒していたのだけど……みなさん安心してください。エドガーとメリーベルはどこまでも兄妹でした。

確かに歌の歌詞だけ読むと、愛だのなんだの書かれているのでミスリードしてしまう人がいたのかも知れない。だけど考えてみて欲しい。宝塚歌劇の半分は愛と恋で出来ているのだ。『ベルサイユのばら』に至っては「愛~それは強く~」からはじまって、最初から最後まで愛だ愛だと歌いまくるではないか。

『ベルサイユのばら』に脱線してしまったので元に戻すけれど「愛」に種類がある。近親相姦となるとエロスの愛だが、エドガーとメリーベルの間にある愛は性欲を伴わない愛だ。

愛の種類は4つあるとされている。

  1. エロス(Eros):性愛・情熱的な愛。美や対象に惹きつけられ、自分自身の不足を満たそうとする情熱的な愛。ロマンチックな恋愛感情や肉体的な魅力を指す。
  2. アガペー(Agape):無償の愛。神の愛見返りを求めず、相手をありのままに受け入れ、与え続ける究極の愛。キリスト教においては「神の人間に対する絶対的な愛」とされている。
  3. フィリア(Philia):友愛お互いを尊重し合う、対等な関係から生まれる愛。友情や仲間意識がこれに該当する。
  4. ストルゲー(Storge):家族愛。親から子へ、あるいは長年連れ添ったパートナー間で自然に湧き起こる慈しみや絆のこと。

この中でエドガーとメリーベルに当てはまるのはアガペー、またはストルゲーに相当すると言って良い。具体的に説明すると『鬼滅の刃』の竈門炭治郎と禰豆子の関係と似ていると思う。

アラン・トワイライトの違い

宝塚版の『ポーの一族』では2番手男役がフランク・ポーツネル男爵を演じているけれど、原作厨として考えるのなら『ポーの一族』の主役はエドガー。副主人公を立てるのであればアラン・トワイライトだと考えている。

そのアランについて語っておきたい。

初演の時のアランと今回のアランは明らかに違っていて感心した。初演のアランは最初からエドガーに惹かれていた印象で「なるほど。エドガーとアランは運命で結ばれた関係なのだな」と思わされたけれど、縣千が演じたアランは最後までエドガーに抵抗する強いアランだった。

ツンデレキャラが堕ちた瞬間は控えめに言って最高だった!

私の中では花組のアランも雪組のアランも甲乙つけ難い。エドガーとの繋がりを重視した花組アランも良かったけれど、エドガーと真っ向から対峙して最後にやられる雪組アランも魅力的。

脇の役者の歌と演技

宝塚歌劇の舞台を語る時って、ついついトップスターの話ばかりしてしまいがちだけど『ポーの一族』は脇役も粒揃いで素晴らしかった。私が最初に驚いたのはキングポーの歌唱力。歌上手過ぎて痺れた。

幕間に「キングポーは誰なの?」とパンフレットで名前を確認したところ「奏乃はると」とのこと。専科に在籍されているらしい。歌上手過ぎる…だからこそ専科に移ってもなお宝塚歌劇を支えてくださっているのだろう。歌の上手い人は宝だと思う。

そして気になったもう1人の脇役はブラヴァツキー。世界一の霊能力者という中年女性で宝塚歌劇でありがちな定番の、お笑い要素の入ったオバサンキャラ。決して美しい系の役どころではない。

そのブラヴァツキーが降霊術の最中、若い女性の霊が乗り移る場面があるのだけど、それまでオバサン声で話していた人が可憐な少女の声で話しはじめた。ドレスは中年霊能力者なので見た目はオバサンなのだけど「うわぁぁ。可愛い。流石は宝塚の娘役!」と感心しきり。凄い演技力……どなたが演じたのかとパンフレットをめくってみたら美穂圭子とのこと。ちなみにエトワールでもあった。そして専科の方で退団されるとのこと。

宝塚歌劇に憧れて音楽学校の戸を叩く人ってトップの男役だったり娘役を目指していると思うのだけど、残念ながら全員がトップスターになれる訳じゃない。だけど「宝塚音楽学校に入学できた」ってだけで、ものすごい美人で歌もダンスも素質のある人なのだ。

トップスターの脇にいる人達がそれぞれしっかり自分の役割を果たすことで舞台が成り立っているのだと考えると胸に熱いものが込み上げてきた。

その他にも色々と

『ポーの一族』の感想。全て書き切るとなると膨大な文章になってしまうので、ここからはサックリと記録していく。

『ポーの一族』の中ではこういう場面がある。

シーラ・ポーツネル男爵夫人 「ジェインという娘、清楚で気に入りましたわ」
フランク・ポーツネル男爵  「同感だ」

ジェインという娘……私も気に入った。とても可愛い。見た目が良くて声も良い。華純沙那と言うらしい。今後に期待の娘役だとチェックした。みなさまも是非ジェインに注目して戴きたい。ホント可愛いので。

そして舞台演出について。初演の『ポーの一族』でもラストでゴンドラが出てきたけれど、今回もゴンドラは健在。ゴンドラと言うかクレーンを使った演出と言うか。2階席だと最後の場面でゴンドラに乗ったエドガー&アランが目の前にやってくるので、2階の前の方の席はある意味ご褒美席だと思う(もちろん席なんて選べる訳ではないけれど)

宝塚歌劇においてお芝居1本物の場合、本編が終わった後で「プチレビュー」みたいなものがあるのが通例。『ポーの一族』も同じで、芝居が終わった後にロケット(ラインダンス)が始まるのだけど、正直私はこれが苦手。物語の余韻に浸っているところに突然「ヤー」とか言って極彩色の人達が登場するのは違和感がある。コメディ系なら良いのだけど、そうじゃない時の違和感たるや(『ベルサイユのばら』でも同じ恨み言を書いている)

あとエドガーの後ろで踊る謎のエドガーダンサーズも「何なんだろうなぁ」って気持ちになってしまった。このエドガーダンサーズは初演の時と同じ演出なので、そのまま残っていたみたい。

……などと。ツッコミを入れてみたもののトータルとしては大満足の公演だった。雪組で『ポーの一族』が再演されると発表された直後は「初演が素晴らしかったから初演以外には考えられない」って意見が多かったけれど、なんのなんの。初演に引けを取ることはなかった。初演、花組の『ポーの一族』とは違った形で、雪組らしい『ポーの一族』だったと思う。

そして今回も私は特定のタカラジェンヌさんに恋に堕ちることはなかった。私もアクスタ買ったり、ぬいぐるみ買ったりして推し活したいのに。

次の観劇は星組『RRR × TAKA”R”AZUKA ~√Rama~(アールアールアール バイ タカラヅカ ~ルートラーマ~)』の予定。Vpassチケットで用意してもらったSS席。発券はまだ先だけど良席であることを全力で願っている。

宝塚歌劇感想
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