私。なんだかんだ言って千早茜の作品を評価していたのだけど、もう無理かも知れない。今まで追ってきた作品と全く違う路線だったので、ついていけなかったのだろうか?
今回の『マリエ』は今までの作品と違って作者自身の経験がふんだんに盛り込まれているらしいのだけど、好きな要素を見つけられない1冊になってしまった。なんと言うか……私とは価値観が違い過ぎる作品だった。
マリエ
- 40歳を目前に夫の森崎から「恋愛がしたいから離婚してくれ」と告げられた桐原まりえは、約2年の話し合いを経て、7年半の結婚生活に終止符を打つ。
- 離婚後、まりえは一人になったことに清々しさを感じ、自分の自由にできる生活を大切にしながら日々を過ごしていく。
- そんな中、年下の由井君と知り合い、彼が料理を教わりに訪ねてくるようになるが、その一方でまりえは結婚相談所にも登録する。
- 結婚相談所でさまざまな結婚観に触れる中、まりえは自分が人生に求める幸せとは何なのかを考え続ける。
感想
主人公のマリエは夫から「恋愛がしたいから離婚してくれ」と言われて離婚している。これについては気の毒に思ったし、主人公の側に立って憤慨することができた。
離婚して気持ちが不安定になるのも分かる。別れた夫を吹っ切れなかったり、結婚相談所に登録したりするのも分かる。だけど、唐突に年下のイケメンキャラが登場。「あれっ? これってハーレクイン・ロマンスでしたっけ?」と首を傾げてしまった。
しかも年下のイケメンキャラは主人公のことを猛烈に愛してくれる存在となっていく。「これは中年女性が恋を知る物語ってことなのか?」と思い、それならそれで恋愛小説として読もうと思いきや、まりえは年下の恋人と二股をかける形で結婚相談所で紹介された男ともデートしたりするのだ。結婚相談所で紹介された男は不器用ながらも良い人で、どう見ても主人公に好意を寄せてくる。
40歳を前にして2人の男性から愛される私!
……あまりにも安い展開に辟易してしまった。『マリエ』の前に読んだ『鎌倉茶藝館』も似たような設定だったので、続けて読んでしまったのも良くなかったのかも知れない。ハーレクイン・ロマンスが悪いとは言わない。だけど、それならそれで、その類のレーベルで出版すれば良いのではなかろうか?
私は小説を選ぶ時に自分自身と年齢が近い主人公だと「読んでみようかな」って気持ちになりがちなのだけど、しばらくは避けた方が良いのかも知れない。私は40代、50代の女性だけど、自分探しをしていないし「年下のイケメンから猛烈に愛される」なんて設定も求めてはいないのだ。
自分の本の選択が悪かったのだ。しばらくこの路線を手に取らないように気をつけようと思う。


