宝塚歌劇、月組公演『GUYS AND DOLL』を観劇した。
2024年に『ベルサイユのばら』を観劇以降、宝塚大劇場での公演は全て観劇しているものの、いまだ推しもおらず特定の組を推すでもないゆるゆるスタイル。親友からは「沼ってる人の動きをしているのに、推しがいないのは何故だ?」と不思議がられるのだけど私も理由がわからない。
今回の公演は新聞の折込チラシに入っていた「サンケイツアーズ」でゲットした。
宝塚のチケットって友の会以外にもカード会社だの旅行会社だの経由でも販売されているので素人には複雑で難しい。私の場合「とりあえず1回、観劇したい。できれば良席で」って感じなので今は手当たり次第チャレンジしている。
宝塚の感想を書く時は毎回書いているけれど私はヲタクで宝塚歌劇を愛しているものの、ガチガチの宝塚ファンではないのでヅカ用語は使いませし愛称で呼んだりもしません。
スターは敬称略が礼儀…と考えているので「さん付け」表記はしませんのでご容赦ください。(もちろんご本人と対面で話をする機会があれば『さん』付けでお呼びします)
GUYS AND DOLL

月組『GUYS AND DOLL』
『GUYS AND DOLL』はブロードウェイのミュージカルを宝塚版にしたもの。過去にも公演があったそうなのだけど、私は初めての観劇で予備知識ゼロで挑んだ。
『ベルサイユのばら』と同じくお芝居だけの公演で、ショーよりお芝居が好きな私にとってはありがたいスタイルだった。ただし宝塚なので最後にちょっとしたショーのようなものが付いてくるし大階段からトップスターが羽を背負ってくるのは同じ。
今回の公演でちょっと後悔したのは「あらかじめ予習しておけば良かった」ってこと。
世界史に登場しそうな物語の場合「世界観のお約束」があらかじめ理解できているので物語に入りやすいのだけど、今回の『GUYS AND DOLL』の場合、そのあたりの知識をバッチリ頭に入っている人って少ないんじゃないだろうか?
私は宗教ヲタクでもあるので救世軍の存在は知っいてたもものの、一緒に観劇した親友は「最初はよく分からなかった」と言っていた。軍隊のような呼び方をしているのにキリスト教で音楽をジャンジャカ流して…言ったスタイルって日本人には馴染が無さ過ぎるのだけど、劇中でその辺りの説明はすっ飛ばされている。
賭博にしても突然「クラップゲーム」と言われても何のことやら分からなかった。途中から「なるほど。日本のチンチロリンと同じだね」と理解したのだけど、これについても予習しておけば問題なく世界に入っていけたのになぁ~と自らの迂闊さを呪った、
サンケイツアーズのお弁当
さて。舞台の感想とは関係ないのだけど、サンケイツアーズのお弁当についても少し触れておきたい。サンケイツアーズでチケットの購入を検討されている方の参考になれば。
大劇場のロビーの一角に「サンケイツアーズ」の旗を持った人からチケットを受取り、劇場へ。幕間休憩時間にお弁当を食べるのだけど、座席で待機。サンケイツアーズの人が食事場所へ案内してくれる…って流れ。大劇場にある団体専用の食事場所「エスプリホール」での食事だった。
エスプリホールにすはでにお弁当がセッティングされていて、各々自由に食べて席に戻るスタイル。ご飯とお弁当は冷たかったけれど、お吸い物は温かい状態で提供された。
味については予想以上に美味しくてビックリした。女性好みの味付けで量も多過ぎず少な過ぎず。急ぎめに食べれば幕間で十分食べられると思う。そしてエスプリホールを出たところにトイレがあるのも良かった。
もしかしたら阪急交通社「夢組」のお弁当プランもこんな感じなのかな~と思ったりした。
感想
予備知識ゼロで挑んだ訳だけど、やはり私はお芝居派なのでじっくり3時間お芝居がを堪能出来たのはありがたかった。物語の中で主人公だけでなく脇役もちゃんと光っていて見応えがあった。
基本的に男役は最初から最後までスーツ姿なのでスーツフェチの方にはオイシイ演目だと思う。スーツの集団が踊り狂う場面は圧巻で「これぞ宝塚!」って感じだった。
物語の筋書きについては「内容は無いよ~」って感じのドタバタコメディ。そもそもブロードウェイ系のミュージカルって音楽やダンスは素晴らしくても物語はイマイチなものが多いのだ。例えば…だけど名作『オペラ座の怪人』だって恋愛物語としては全員「それって…人間としてクズでは?」って行動をしている。
『GUYS AND DOLL』の男達も「自分の娘がこんなヤツ連れてきたら叩き出す!」って面子ばかりだけど、そこはミュージカルとして純粋に楽しむ度量が必要。
個人的にはアデレイドの娘役さんが滅茶苦茶好みだった。歌がお上手で可愛らしくて存在感抜群。役どころ的にオイシイポジションだった…ってことを差し引いても熱演だったと思う。
その分、トップの娘役さんが割りを食っちゃったな~とは思う。「真面目な女性と遊び人の男性」って組み合わせは王道ではあるものの、どうしても元気キャラに喰われる感じの脚本だったなぁ~と気の毒に思った。そもそも宝塚の舞台は「男役を格好良く見せる」ってところに重きが置かれるので、娘役は不憫な脚本になりがちではあるのだけど。
そう言えば漫画『かげきしょうじょ!!』の中で「娘役トップスターは(男役を引き立てるための)美しき矢印たれ!」と書かれていたけど、ホントそれ過ぎる。それはそうなんだろうけど、娘役も大事に扱って欲しいなぁ~と娘役スキーとしては思ってしまった。
そうそう。ロケット(ラインダンス)は今回、格好良くて素敵だった。衣装も物語に合致していたし、ラインダンスだけピックアップするのではなく物語の一部として構成されていたのも好感が持てた。
全体的には「宝塚の男役を堪能できる演目」として素晴らしかったし、歌もダンスも宝塚らしさがあって素敵だった。
次の宝塚歌劇の観劇予定は宙組『PRINCE OF LEGEND』の予定。生まれて初めてのSS席で観劇。「トキメキが大渋滞」などと言う煽り度高めのキャッチコピーに今からワクワクが止まらない。