我が家は家の前と道路の間(道路ではなく我が家の土地)にクローバーを植えている。
クローバーは2年前に「削れてくるアスファルト対策」で植えたのだけど、しっかり根付いてくれて今では水りもせず放置状態で育っている。
初年度は緑の葉っぱが出ているだけでシロツメクサの花はほとんど咲かなかったのだけど、昨年からはしっかり花も咲いてくれるようになった。
近隣の小学生が「コレ…摘んでも良いのかな?」「お家の人が植えてて駄目なんじゃないの?」と言いながら通っているのを聞いたので「お花とクローバー、欲しい子は摘んでいいよ」と平仮名で書いて外壁にテプラで貼ってみたところ、最近は小学生がちょくちょくクローバーを摘んでいるようだ。
パートが早上がりの日に夕方家にいると女の子の2人連れがキャッキャウフフしながらクローバーを積んでいる声が聞こえてきたりして「クローバーを植えて良かったなぁ」と自己満足に浸っている。
先日、仕事から帰宅したら玄関先の分かりやすい場所に四つ葉のクローバーが挿してあった。
クローバーを摘んだ誰かが「四つ葉だし、持って帰ったら悪いかな?」と置いていってくれたのだろうか? それとも「幸運のおすそ分け」みたいな気持ちなのだろうか?
四つ葉のクローバーが挿してあった日は夫が入院していて、私も心身ともヘトヘトになっていたので「何なの…この優しい世界は?」と感激し、夫にLINEで四つ葉のクローバーの写真を送った。
実のところ私は占いもお守りも縁起担ぎも信じていないタイプなので、四つ葉のクローバーは欲しい人が持って行ってくれたら良いと思っているのだけど、見知らぬ人の善意に触れた気がして、なんか嬉しかった。
四つ葉のクローバーは「自分がシンドイ時に差し出された見知らぬ人の善意」と言うことで、押し花にした。
そして翌日。
入院している夫に荷物を届けて帰ってくると、またしても四つ葉のクローバーがあった。
今度は自転車の後ろ籠に置いていた。2日続けて四つ葉のクローバーが見つかる事自体ビックリだし、それを置いていく人の存在にもビックリした。
「四つ葉のクローバー、本当に持って帰ってくれてもいいんですよ」と言う気持ちでいっぱいになってしまった。戴いた四つ葉のクローバーは夫にLINEで写真を送り、押し花にした。
そして今回は四つ葉のクローバーを置いてあったた近くに四つ葉のクローバーのお礼と「四つ葉でも遠慮なくお持ち帰りください」と書いたテプラを貼った。3つ目の四つ葉のクローバーが見つかるかどうかは分からないけれど、見つけた人に持ち帰って欲しい。
それにしても「丹精込めて育てた花を摘んでいく人がいる」とか「育てた野菜を泥棒する人がいる」みたいな話を耳にするご時世に「自由に摘んでいいですよ」って書いてるのに、わざわざ四つ葉のクローバーを置いていくとか、なんて優しい世界なんだ? うちの近隣の誰かさんは良い人過ぎないか?
1日目は「子どもの仕業かな?」と思ったけれど、2日続けて…となると「大人かも知れない」と思ったりもする。
『ごんぎね』のごんのよにうに、2日続けて四つ葉のクローバーを置いていってくれた誰かに幸運が訪れることを心から願う。