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本当のような話 吉田健一 講談社文芸文庫

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なんだか恐ろしく退屈な小説だった。

戦後の有閑マダム(しかも未亡人)がヒロインの小説だったのだが、いちいち感動が薄いと言うか、淡々としていると言うか。

自宅に女中さんがいたりして、やたらと美味しいものを口にしたり、お酒を飲んだりする場面があるのに、どの場面を読んでも「うひゃぁ。美味しそう」と思うことがなかったのだ。

食事の場面が沢山登場する小説で、ただの1度も「美味しそう」と思わなかったのは、もしかしたら初めての経験かも知れない。

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本当のような話

優雅に生きる若い元伯爵夫人の民子。民子の亡き夫の友人で弁護士の内田。戦時下中国からソ連に抑留された経歴を持つ貿易商の中川。

彼等が出会い、集う、戦後の東京の大使館、思いがけない小さなしかし本格的な西洋料理店と、民子邸で繰り広げられる豪奢な会食と、男と女の洗練の会話。絶妙な文体が、“その時”を生きる悦びを知る人達の、雅びな時の流れに、虚実皮膜の、豊穣の世界を現出する。

アマゾンより引用

感想

吉田健一は翻訳家らしくて、だからかどうかは分からないけれど淡々とした文章なのに1つの区切りがやたらと長い。

古い時代の作品になればなるほど文章の区切りは長くなりがちな気がする。

もっとも、区切りが長くても引き込まれるような文章だと、あまり長さを感じないものだが、この作品の場合は長さを感じてしまった。

まどろっこしさにかけてはロシア文学を読んでいるような雰囲気。読了するのがけっこう辛かった。

私には、その良さを理解できなかったのだけれど、教養がある人……と言うか、そこそこの知識人なら面白く読めるような気がする。私にはレベルが高すぎたのだろう。

文字を追うことはできても、理解したり味わったりすることができなかった。

なんだか、すっかり負け犬気分。良し悪しさえ分からないというのは感想を書くとか書かないとか以前の問題。

吉田健一は講談社文芸文庫から何冊か作品が出ている作家さんなのだが、根強いファンがいたりするのだろうか?

もう少し知性を鍛えてから、あらためて挑戦したいと思う。

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