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残虐記 桐野夏生 新潮文庫

『残虐記』は実際にあった監禁事件をモデルに書いていると聞いていたので、今まで読むのを避けていたのだけれど、人から「案外そうではない気がする」と聞いたので私も手に取ってみた。

なるほど、私も実際におきた監禁事件がモデルではない気がした。

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残虐記

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自分は少女誘拐監禁事件の被害者だったという驚くべき手記を残して、作家が消えた。

黒く汚れた男の爪、饐えた臭い、含んだ水の鉄錆の味。性と暴力の気配が満ちる密室で、少女が夜毎に育てた毒の夢と男の欲望とが交錯する。

アマゾンより引用

感想

少女誘拐監禁事件がテーマになっているのだけれど、実際に起きた事件に触発されて書いたのはそうかも知れないけれど、その内容は完全に創作物だと思う。

好き嫌いは別れる作品だとは思うけれど、すごく面白かった。

桐野夏生の変態っぷりと言うか、倒錯っぷりが余すところなく発揮されていて、人間がドロドロと嫌らしくてとても良かった。

私は現在、平凡過ぎるほど平凡な生活を送っているけれど「倒錯愛」に溺れる人の気持ちは良く分かる。

私は紙一重のところでそっちの世界に行ってしまう人間だって自覚がある。

どういう訳か、辛うじて踏みとどまってはいるものの、死ぬまで踏みとどまり切れるかどうかは自信が持てない。

桐野夏生に人間の黒いところを書かせたら天下一品だ。

この作品の場合、話の筋自体は、それほど凄いとも思えないのだけど、登場人物の黒さがとても良い。

この作品を読んで「面白い」と感じたり、登場人物の誰かに心を寄せてしまう人は、少なからず自身も人に見せられない、あるいは見せたくない黒い部分を持っているのではないかと思う。

作品を読んでいる間、とても「恐い」と思った。

事件が怖いと言うよりは、ほんの少し道を間違ったら、自分も堕ちていくであろう姿が簡単に想像出来るところが恐かった。

桐野夏生の作品の中でもかなり好きな作品になってしまった。

本に夢中になる感覚を思い出させてくれる力のある作品だった。

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白い木蓮の花の下で
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