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かめくん 北野勇作 徳間デュアル文庫

ジュニア系の文庫から出ている作品なのだけれど、侮れない面白さだった。

ちゃんとしたSFだが、しかし現代日本。そして主人公がレプリカメと呼ばれる「かめ」だってところが、なんとも言い難い味わいである。

凄いなぁ…と思うのだが、好きかどうかを問われたら「嫌い」としか言いようがない。上手いのだ。上手すぎるのだ。

切なく、やるせなく、やりきれなさが、たまらなく上手いのだ。凄くツボに入ったのだが、入りすぎて嫌いと言うべきか。

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かめくん

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かめくんは自分がほんもののカメではないことを知っている。クラゲ荘に住みはじめたかめくんは模造亀。新しい仕事は特殊な倉庫作業。リンゴが好き。図書館が好き。

昔のことは憶えていない。とくに木星での戦争に関することは…。日常生活の背後に壮大な物語が浮上する叙情的名作。日本SF大賞受賞。

アマゾンより引用

感想

主人公の「かめくん」が河原に座って、一人パンの耳を食べるシーンは、ちょっと泣けてしまった。

「はぐはぐはぐ。やっぱり、パンは、耳だよね」というところを読んで、やりきれないものを感じた。

この作品には、他にも食べるシーンが登場して、それぞれやりきれないのだけれど「1人食らう」この場面は、やりきれなさ最高潮である。

ジュニア系の文庫だし、文体は軽いし、主人公は「かめくん」という和み系(?)のキャラなので、うっかり見落としてしまう人もいるかも知れないけれど、この作品は痛すぎるし、酷すぎる。

だって、ヒトカケラの救いもないのだから。

この本は愚弟に進められて読んだので「この本は上手いけど嫌いだ。やりきれないし、救いが無さ過ぎる」と感想を伝えたら、愚弟はいたく満足したようだった。

こういう感覚を共有する姉弟って、なんか嫌だ……良い作品に出会わせてくれた愚弟には感謝しなくちゃいけないのだろうけど。

ジュニア系の棚に並んでいる本だが、これは若者にではなくて大人にこそ読んでもらいたい作品である。

「不思議な味わいだけど面白い作品だった」という人も多いだろうが、これを読んで「やりきれない」気持ちになった人と話がしてみたい。

ああ……この、やりきれなさは、どうやって伝えたらいいんだろう。

再読して気持ちが落ち着いたら、また感想を書き直そうかと思う。

いまは、ちょっぴり胸一杯な感じ。とりあえず良書だった……とは思う。

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白い木蓮の花の下で
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