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映画『6才のボクが、大人になるまで。』感想。

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ケーブルテレビで録画した『6才のボクが、大人になるまで。』を視聴した。

この作品は題名のとおり、6歳の少年が18歳で大学に入学して親元を離れるまでの12年間を描いているのだけど、同じ役者さんで12年間かけて撮影されている。アメリカ人の発想、凄え。

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6才のボクが、大人になるまで。

才のボクが、大人になるまで。
Boyhood
監督 リチャード・リンクレイター
脚本 リチャード・リンクレイター
製作 リチャード・リンクレイター
キャサリン・サザーランド
ジョン・スロス
ジョナサン・セリング
出演者 パトリシア・アークエット
エラー・コルトレーン
ローレライ・リンクレイター
イーサン・ホーク
撮影 リー・ダニエル
シェーン・ケリー
ザックリとこんな話
  • 両親が離婚している6才のメイソンJr.は、姉サマンサとともに、母親オリヴィアの故郷ヒューストンに引っ越すことになる。
  • 主人公の父親メイソン・シニアはバンドマンで働きたくないでござるな人。
  •  

    母のオリヴィアは職を得るために大学で心理学を学び、教授のウェルブロックと再婚

  • 再婚相手はDV野郎で母親は再び離婚。
  • 主人公が6歳から思春期、反抗期を経て、大学に進学するまでの物語。

感想

主人公のメイソンJr.は両親が離婚している。母は意識高い系の女性。離婚した父は働かないクズ。

物凄く不幸な生い立ちかと言うと、そうでもなくて母はシングルマザーとは言うものの、しっかり子ども達を育てているし、父もクズなりに子ども達を愛していて、定期的に子ども達と会うようにしている。

日本人の私からすると「アメリカ人の離婚した家族のありかた」がとても興味深かった。日本も最近は少しずつ変わってきているようだけど、夫婦が離婚すると、母親が子どもを引き取るケースが多く、さらに言うなら面会どころか養育費わ支払わない父親は五万といる。

メイソンJr.はバンド活動をしていて、ロクに働かないような男なのにそれでも子どもをキャンプに連れて行ったり、週末に会いに来たりする。物語の最初から最後まで登場していて、子どもとの関わりは途切れることがない。

もちろん、アメリカ人にも子どもの養育費を支払うことなく、子どもと会いたいと思わないような父親もいるだろうけど、メイソンJr.の父親のような人が多いからこそ、映画の題材なっているのだろうな…と思うと、アメリカと日本の家族の違いを考えずにはいられなかった。

そして、これはアメリカだけでなく、日本の家庭も同じだと思うのだけど、どこの家庭も色々なトラブルを抱えている。

メイソンJr.の家庭もそうで、12年間と言う歳月の中では様々な紆余曲折がある。

だけど、案外どうにかなってくもので、それでも子どもは成長していく…って部分が、実に淡々と描かれている。もはや親戚の子どもを見守るオバチャンのような気持ちで映画を観てしまった。

12年越しの撮影

この映画は「12年間キャストを替えずに撮影した」ってところに称賛が集まっているのだけど、実はこの方式。この映画が初めてって訳じゃない。

映画ではなくドラマだけど『大草原の小さな家』は同じ役者さんで8年間かけて撮影されている。

そして忘れてはいけないのが日本人なら誰でも知っているあのドラマである。

渡る世間は鬼ばかり』は1990年からスタートして2018年にも特番が放送されている。

えなりかずきは子どもの頃から20年以上に渡り小島眞と言う役柄を演じ続けているのだ。

話が大きく脱線してしまったけれど「長い期間をかけて役者さんを替えずに映画を撮り続ける」って凄いことだと思う。

自分の国に住む人(家族)の中で最大公約数的なところを狙って作ったって事が素敵じゃないか。

超ドラマテックな話を描くのではなく「よくある話」「よくある家庭」をキッチリ描ききったところを評価したい。

猛烈に面白いとか感動するような作品ではないけれど、メイソンJr.が大人になるまでの歳月を、ゆるっと楽しんで戴きたい。自宅の居間でゴロゴロしながら観るのに相応しい作品だと思う。

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