昨日、泰明小学校のアルマーニの制服について暑苦しい文章を書いてしまったのだけれど、それには少し理由がある。
私はかつて高級な飲食店が立ち並ぶ地域で小学生時代を過ごした人と一緒に働いていた時期があるのだ。
その人とはほんの短い期間しか一緒に働かなかったのだけど、なんとなく気があって仕事の休み時間に沢山の話をした。
彼女はとても話し上手な人だったのだけど、彼女がしてくれた話の中で「小学校の運動会がめちやめちゃ楽しかった」って事が印象的だった。
自分の事ではないので詳細を書くのは避けるけれど、彼女のご両親は夫婦で高級店が立ち並ぶ地域で、そこで働く人達向けの家庭的な料理屋さんを経営していた。
私が子どもの頃の話なので昭和50年代ってところ。
彼女は高級店が立ち並ぶ地域で小中学生時代を過ごしていて、私は「えっ? そんな場所に人が住んでるの?」と仰天した。
その地域には普通の民家なんて建っていないし、子どもが遊ぶ児童公園も無く、庶民の行くような市場もスーパーもない。それでも住んでいる人はいたのだ。
都会のど真ん中なのに小学校は田舎の分校くらいしか生徒がおらず、子ども達の親ははお店をしていたり商店をしている自営業者だったとのこと。
会社員もいたらしいけれど、少数派で「スーツを着てネクタイをしめて会社員に行くお父さん」は珍しくて少し羨ましかったと言っていた。
自営業者と言ってもお金持ちが多く、暴力団の子どももいたとのこと。
雑多な人の集まりだったらしいけれど「子ども達は仲が良かったし運動会は超盛り上がった」そうだ。
運動会は子どもの人数が少ないので、親も参加する形式で商品にマスクメロン等、庶民の感覚では信じられないような高級な物が提供されていて、運動会は大人も子ども本気で楽しめる一大行事だったらしい。
彼女の両親は彼女が中学校の途中で店とは離れた場所に家を買い、彼女は中学校を転校したそうなのだけど、転校先の中学校では盛り上がらない運動会や、今までのように密でない人間関係に驚いたと言っていた。
彼女の通っていた小学校は驚くほどのお金持ちとヤクザと庶民が通っていたらしいけれど「金持ち喧嘩せず」の言葉の通り、金持ちは金持ちらしく悠々としていて、ヤクザは堅気の人には迷惑をかけず、庶民もそれなりに楽しくやっていけていたらしい。
もっと、それは小学生の目線での話なので、大人の世界では色々あったのかも知れないけれど。
「こんなところに人が住んでる訳がない」って場所にも意外と人は住んでいる。
それは山奥だけでなく都会のど真ん中でも変わらない。泰明小学校の校区内にだって小学生はいるだろう。
私は田舎でも街で歩くのが好きで若い頃からとにかく、ウロウロ歩いている。
整然とビルが建ち並ぶオフィス街の中にオンボロビルが建っていて、洗濯物が干してあってりするのを見つけると「お。こんなところにも人が住んでるんだ」と感動することがある。
田舎でも、都会でも、意外と人は暮らしていける。
そして田舎に暮らしている子どもにも都会に暮らしている子どもにも等しく教育の機会を与えている日本は素晴らしいと思っている。
国が定めた義務教育は等しくあるべきだと思う。泰明小学校のアルマーニの標準服はそれに反しているのではなかろうか?
……と。私がここで何を書いても世の中が変わる訳じゃないって事くらい、充分過ぎるほど理解してはいるのだけれど、どうしても書かずにはいられなったので書き記しておく。
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