読んだ本の『50音別作家一覧』はこちらから>>

自殺(自死)にまつわるあれこれ。

記事内に広告が含まれています。

『エリザベート-愛と死の輪舞(ロンド)-』の感想を読んでくださった方からちょっと重たい質問をいただいたので、今日はそれについてのあれやこれや。

『エリザベート-愛と死の輪舞(ロンド)-』の主役のトートは人間ではなく「死」の概念。劇中ではヒロイン、シシィ(エリザベート)の息子のルドルフが拳銃自殺をしている。エリザベートはミュージカルとしては素晴らしいけれど、シシィの動きを現代の親目線で見ると、彼女は毒親でしかない。ルドルフは死ぬギリギリのタイミングまでシシィを求めて拒絶されている。

「毒親に育てられた子は自殺しがち」みたいな説があるけど、それについては否定できない。毒親育ちの人間って自己肯定感が低かったり、大人になってからメンタル病みがちだったりする。

だけど、ちょっと待って欲しい。

毒親育ちが全員自殺するかと言えば、そんなことはない。毒親育ちを乗り越えて立派な大人になったケースは多々あるし、私が知っている子どもでも「あなたは良い子過ぎる。そんな親はとっとと捨てて1人勝手に幸せにおなり」と言いたくなるような出木杉君的なお子さんもいらっしゃる。

結局のところ自殺にいたるルートは1つではないので「こういう人が自殺しますよ」なんてことは言えない気がしている。

話が脱線して申し訳ないけれど、これを読んでくれている方の中に自死遺族はいるだろうか? または親しい友人・知人が自死した人はいるだろうか?

ちなみに私も自死遺族だ。母方の祖母は80歳を越えて自殺している。祖母の自死は「老人性うつ病によるもの」と言うことだけど、同居家族との不和が原因だった。

  • 年間の総死亡数: 約158万人(1日あたり約4,330人)
  • 年間の自殺者数: 1万9,188人(2025年・厚労省発表)

日本で亡くなる方のうち、約1.2%(約82人に1人)が自死ってことは、その家族や関係者は「そこここにいる」と思って間違いない。ただ、その事実を口に出来ないだけの話。

私は現在54歳なのだけど、過去に3人の人から「実は自死遺族なんです」との打ち明け話を聞いている。これはWebで繋がった人ではなくてリアル生活で関わった知人や友人。別にお悩みを聞いていた訳じゃなくて、場所は喫茶店だったり居酒屋だったり。突然「誰にも言ったことないんだけど、白蓮さんなら言ってもいいかなって思って…」みたいなところからはじまって、私の目の前でさめざめ泣かれて、ちょっぴり困惑するのだけど「聞くだけしかできないけど、お役に立てて良かったのか?」というところで話が終わる。

さて。自死の本当の理由は死んだ本人にしか分からないけれど、薄っすら推察くらいはできると思う。3人の自死理由はそれぞれ全く違っていた。

  • 仕事のトラブル(それに伴う金銭問題)
  • 実親とのトラブル(恋愛問題も含む)
  • 思想的なところ(宗教的な問題も含む)

自死遺族3人に共通していたのは「人に言えなかった」「いまでも辛い」ってところだけど、自死者はそれぞれ年齢も性別も動機も違っている。それを考えると「自死する人の傾向」はあってないようなもので「自死は死の形の1つでしかないのかな」みたいな気持ちになってくる。

人間の生死は人間がどうにかできるものではない。だって神じゃないんだもの。それは家族や友人、恋人であっても同じことだ。

ちなみに自死遺族の3人は「そんな過去があったようには思えない」って感じの人達で、ゴリゴリ仕事をしていたり、あるいはお金持ちで呑気な専業主婦だったりと立場は様々。

親族や友人、知人の自殺って、関わった人間にとっては衝撃的な出来事だし、一生心のどこかに傷を残すことになる。だからこそ、つい因果関係とか自殺者や自死遺族の傾向なんかを考えてしまいがちではあるけれど、自死した人の動機は千差万別だし、自死遺族のその後も人それぞれとしか言えない。

人生は自分に配られたカードで勝負するしかない。

毒親カードが配られたとしても、自死遺族カードが配られたとしてもそのカードを持ちつつどうにかするしかないのだ。カードの引きが悪い人が難しい勝負を強いられるのはそうなのだけど、だからってそれで勝負に負けるかというと、そうでもない。

人間はどんなカードが配られても幸せになれると私は信じている。諦めたらそこで試合終了。可能性は無限大。

スポンサーリンク
スポンサーリンク
日記
スポンサーリンク
シェアする
タイトルとURLをコピーしました