今年、受験生(中学3年生)の娘のランドセルはアフガニスタンにランドセルを寄付するプロジェクトに託した。
「使わなくなってランドセルが誰かの役に立ったらいいな…」って気持ちがあったのもそうだけど、アフガニスタンでは女性が学ぶ環境が整っておらず少女のうちは勉強出来るものの高等教育は望めないらしい…と聞いていたので「アフガニスタンの女の子達に少しでも良い環境で勉強し欲しい」って気持ちもあった。
アメリカの同時テロ事件以降、私の中でのタリバン及びイスラム教の人達に対するイメージは最悪と言っても良い。イスラム教のテロリストは髭はやして無慈悲に人を殺しまくっていて、イスラム教の女性は肌や髪を露出できずに男性に虐げられた生活をしている…みたいなイメージ。
だけど映画や小説、漫画に触れる中で「よくよく考えてみれば世界の人口の25%くらいはイスラム教徒なんだからイスラム教も悪い宗教ではないはずよね?」と思うに至った。
例えば…だけど、最近読んだ『天幕のジャードゥーガル』と言う漫画の中で「全てのイスラム教徒は知を求める義務がある」と言うセリフが登場する。これって仏教には無い感覚だ。
また『乙嫁語り』に登場するイスラム教徒も「富める人間が困っている人を助けるのは当たり前のこと」と考えてる描写がされている。
私のイメージするイスラム教徒と創作物の中で語られるイスラム教徒はあまりにも違っているので「これはもう少しイスラム教について知っておいても良いのかも…」と言う気持ちになって、図書館で目についた本を借りてみた。
『教えて!タリバンのこと』って作品でイスラム教…と言うよりもアフガニスタンを支配しているタリバンとイスラム教の考えなどを分かりやすく書いた本なのだけど、この本がかなり面白かった。
「この1冊でタリバンのこともイスラム教のことも分かりますよ」なんて訳じゃなくて、あくまで入門編…みたいな感じだったけれど、イスラム教にしてもタリバンにしても私が今までイメージしていたものとは随分と違っていた。
私。今年50歳になるけど世界の事を全然分かってないんじゃない?
…ってことで、私の中で地味にイスラム教ブームが進行している。「イスラム教に憧れちゃう~」とか、そう言う話ではない。ちょろりちょろりと本を読んでみたところで理解できないことが山ほど出てくるものの「あ…こう言う考えはむしろ西洋的な考えよりも進歩的かも」と思える部分もあったりして面白い。
何冊かイスラム教系の本を読んでみて感じたのは「イスラム教徒の人達とキリスト教を主体とする西洋的な考えの人達が理解しあうのはそりゃあ難しくて当たり前だよなぁ」ってこと。根本的な考え方があまりも違う。
ザックリとしたイメージはこんな感じ。
イスラム教 | 西洋的考え方 | |
主権 | 神にある | 人にある |
政治 | イスラム教の考えに従う | 多様な民意を取り入れる |
自由 | 神の教えの範囲での自由 | 法を犯さない限り自由 |
イスラム教の人達にとって「神」は絶対的存在でそれは政治にも日常生活にも適応される。その感覚は西洋的な考え方の人間には理解し難い。
私は「世界を変えたい」とか言うような高尚な気持ちは持っていないけれど「自分の知らない世界を知りたい」って好奇心と「映画や小説を楽しむための知識を持っておきたい」って気持ちが強いので、しばらくイスラム教関連のことをスローペースで追っていきたいな…と思っている。
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