綿矢りさは初挑戦の作家さん。
女子校生作家の作品というから、どんなにチャラチャラした話だろうとドキドキして読んだのだのだけど、想像していたよりもシンプルで面白かった。
良い意味でも悪い意味でも「正統派小説」という印象。
新しいとか勢いよりも「そこそこ上手い」って部分の方が先に立つ感じ。しかし私は面白かった。ネタ的な意味でインターネットジャンキーなら多少は面白いんじゃないかと思う。
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学校生活&受験勉強からドロップアウトすることを決めた高校生、朝子。ゴミ捨て場で出会った小学生、かずよしに誘われておんぼろコンピューターでボロもうけを企てるが!?押入れの秘密のコンピューター部屋から覗いた大人の世界を通して、二人の成長を描く第三八回文藝賞受賞作。書き下ろし短篇を併録。
アマゾンより引用
感想
不登校の女子校生が、小学生男子に誘われて風俗系チャット嬢になる物語。
「風俗系チャット嬢」といってもエロい話ではなくて、むしろ生真面目な感じで好印象。
文章のセンテンスが長過ぎて、ちょっとダルかったけれど、インターネットの物憂い世界を描くのには合っていたと思う。
主人公の女子校生も、副主人公の小学生男子も、型どおりの人物で面白みには欠けるが安心して読めた。
「17歳の女の子が書いたにしては上手い良いんじゃないかなぁ」などと、若い女の子に甘い中年オヤジのような感想を持ってしまった。
文学の世界にも華やかな「アイドル」は必要だと思う。ビックなアイドルに成長して欲しい。
この作品を読んで、あらためて思うことは無いのだけれど今後の成長に期待というか、青田買いと言うか、そういう意味において価値のある1冊だと思う。
とりあえず綿矢りさの次の作品も読んでみたい。
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