山崎ナオコーラ初挑戦。
カツラをかぶった「桂さん」が経営する「カツラ美容室別館」を舞台に、そこへ集う人達の微妙な関係を描いた物語。
人間関係に焦点があたっていて、ミニドラマを観ているような印象の作品だった。
好きな人は好きかも…とは思ったけれど、私はちょっと乗り切れなかった。
カツラ美容室別室
こんな感じは、恋の始まりに似ている。
しかし、きっと、実際は違う――カツラをかぶった店長・桂孝蔵の美容院で出会った、淳之介とエリの恋と友情、そして様々な人々の交流を描く、
アマゾンより引用
感想
文章は軽くてとても読みやすいのだけど、私にはこの作品の良さがサッパリ分らなかった。
登場人物は、それぞれちょっと普通からズレている感じのする人達。登場人物の誰か…あるいは数人がズレている人なら平気なのだけど、全員がそうとなると読んでいてもウンザリしてしまうのだ。
上手いこと、それぞれの人物を出してきているように思うのだけど、誰にも肩入れすることなく読了してしまった。
正直なところ「今時の小説によくあるタイプだよね」と一言で片付けてしまいたくなるような印象。
恋とも言えないような微妙な恋愛が描きたかったのか、それとも微妙な人間関係を描きたかったのか焦点がボケてしまっているように思う。
取り立ててマズイところがある訳でもないのだが、読むべきところも無いと言うか。
ちょっとインパクトのある装丁で「表紙惚れ」して図書館で借りてみたのだけれど、実りのある読書が出来たとは言い難い。
山崎ナオコーラの作品を読むのは初めてなので、あと数冊は読んでみるかも知れないけれど、この作品に関してはイマイチとしか言いようが無い。
次の作品を読むのはしばらく先伸ばしにしたいと思う。