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映画『運び屋』感想。

『運び屋』はクリント・イーストウッドが監督して2019年に公開された作品。クリント・イーストウッドは2020年7月現在90歳。押しも押されぬ爺さんだ。

そして、この『運び屋』はクリント・イーストウッド自身が主人公を演じていて、主人公の年齢も90歳。

90歳の爺さんがメガホン取るなんてクレイジーだと思うのだけど、さらに主演もこなしているとか、もはや人外。怪物と言っても良いと思う。

だけどこの映画、悔しいけれど結構面白い。

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運び屋

運び屋
The Mule
監督クリント・イーストウッド
脚本ニック・シェンク
原案サム・ドルニック
『The Sinaloa Cartel’s 90-Year-Old Drug Mule』
製作クリント・イーストウッド
ティム・ムーア
クリスティーナ・リベラ
ジェシカ・マイヤー
ダン・フリードキン
ブラッドリー・トーマス
製作総指揮アーロン・L・ギルバート
出演者クリント・イーストウッド
ブラッドリー・クーパー
ローレンス・フィッシュバーン
マイケル・ペーニャ
ダイアン・ウィースト
アンディ・ガルシア[1]
音楽アルトゥロ・サンドバル
公開アメリカ合衆国の旗 2018年12月14日
日本の旗 2019年3月8日

あらすじ

90歳になるアール(クリント・イーストウッド)は百合を栽培する園芸家として長年に渡って百合を育てて生きてきた。アールは園芸家としての腕は一流だったが、家庭人として最悪。

家庭をかえりみないアールは離婚後も元妻や娘、孫と交流を続けていたが、いつも身勝手で元妻メアリーを落胆させるばかりだった。

ある日、アールはふとしたキッカケからドライバーの仕事を紹介される。良い給料をもらう代わりに何も質問は受け付けないというのが条件であったアールが請け負った仕事は麻薬の運搬だった。

麻薬取締局では新しい捜査員コリン・ベーツを採用し麻薬組織メンバーの逮捕を計画していた。アールはトラックの運転で得た金で新しい黒いトラックを買い、差し押さえられていた自宅も取り戻す。

再びトラックの運転をするアールは、バッグの中身が麻薬であることに気づくがそのまま仕事を続行する。

90歳とは思えない良い仕事ぶりでアールは雇い主であるメキシコの麻薬組織カルテルのボス、ラトンに一番使える運び屋として「エル・タタ(おじいさんの意味)」と呼ばるようになる。

順調にトラックの運転で大金を稼いだアールは孫娘の学費を負担し彼女の卒業式にも出席する。アールの変化に元妻は少しずつアールを許す気持ちになっていく。

ある日、アールがいつものように運び屋の仕事で移動していると、休憩で立ち寄ったカフェでエル・タタを捜査中のベイツ捜査官と出会う。

お互いの正体を知らないアールとベイツ。「仕事で忙しくして妻との記念日を忘れたと」語るベイツ捜査官に対してアールは「家族をないがしろにするな」とアドバイスをする。

ラトンはアールの仕事ぶりに感謝し、彼をメキシコに招待すると盛大なパーティーを開く。しかしそのすぐ後、ラトンへの反抗心を大きくしていった手下達がラトンを殺害し、カルテルでは新しいボスに変わる。

同じ頃、以前から体調を崩して病院に入院していたメアリーが家で最後を迎えるため、病院から移される。

新しいボスになって最初の仕事をし始めたアールはメアリーの最後に付き添う為、ルートから姿を消す。アールの失踪によりカルテルと麻薬取締局は必死で彼の行方を探す。

メアリーの元に着いたアールは、彼女が息を引き取る時まで側で付き添い、彼女の死後は葬式にも出席する。そんなアールの姿を見た娘は父親を許し、家族一同で集まる感謝祭に彼を招待する。

再び家族との関係を取り戻したアールは運び屋の仕事を再開するが、既にアールの黒いトラックの情報を調べ上げていた。

90歳なのにカッコイイ!

とりあえず、この映画はクリント・イーストウッドを愛でるために作られた作品だと思う。クリント・イーストウッド…90歳の爺さんとは思えないほどカッコイイ!

もう同じ人類だとは思えないくらいの立ち居振る舞いで、ただただ驚くばかり。

主人公のアールは家庭人としてはクズなんだけど、仕事人としては超一流。爺さんなのに女性にもモテるし会話もお上手。頭の回転が速くて判断力も素晴らしい。何度となく訪れるピンチを上手いこと切り抜けていくところは観ていて本当に面白い。

「今年じゃなくてて良かったね」な話

この『運び屋』。アメリカで公開されたのは2018年。日本では 2019年の3月に公開されているのだけれど、今のご時世では完全に合うとな差別用語がバンバン登場する。

主人公のアールの人間性を表現するのに必要だったと思うのだけど、黒人のことはニグロ呼びだし、メキシコ人の移民などは完全に下に見ている。

今年公開だったら絶対に炎上していたと思う。

主人公のアールは好き勝手やっちうところが魅力と言えば魅力だけど、今年の流れからするとアウトだろうなぁ…。滑り込みセーフでネタにされなかったあたり、クリント・イーストウッドは「持ってる」監督なのだと思う。

実話ベースらしいですよ

この『運び屋』。90歳の爺さんが好き勝手に大活躍する作品なのだけど「こんなのクリント・イーストウッドじゃないと無理でしょ」と思いきや、実話ベースの物語と言うからビックリだ。

80歳代でシナロア・カルテルの麻薬の運び屋となった第二次世界大戦の退役軍人レオ・シャープの実話に基づいている。シナロア・カルテルの麻薬の運び屋にはレオ・シャープだけでなく、60代の運び屋や障害者の運び屋もいたそうだから驚かされる。

「麻薬の世界って恐ろしい」と思うと同時に「人間、仕事してた方が元気に過ごせるのかも知れないん」なんてことを思ったりした。

爺さんだから許されなんて思うなよ

『運び屋』はクリント・イーストウッドが超カッコイイし、テンポが良くて面白いし、ラストはハッピーエンドとはいかないまでも、なんだか良い感じにまとまっている。

「色々あったけど良かったね」ってまとめてしまうところは、アメリカ映画の良いところなのだけど、私は正直「爺さんだから許されるなんて思うなよ」って思ってしまった。

ラストで主人公のアールは家族に受けてれてもらっているけれど、現実はそんなに上手くいかないんじゃないかな。誰かから「絶対に許さないリスト」に入れられてしまったら、そんなに簡単に許されたりはしないものだ。

家族をないがしろにして好き勝手して麻薬の運び屋やってました!

……とか、普通に考えて立派な悪人。だけど映画だから許されるんだなぁ。映画ってつくづく素晴らしい。大正義クリント・イーストウッドの力技は凄かった…ってこと。

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