映画『屍人荘の殺人』はミステリ作家、今村昌弘のデビュー作。映画化した作品。
『第27回鮎川哲也賞』『このミステリーがすごい2018年度』『週刊文春ミステリーベスト10』等に選ばれた話題作とのこと。
私は本好きだけどもミステリはとんと苦手なので流行っていたことさえ知らなかった。
映画予告を見て小6の娘が「面白そう」と喰い付いてきたので、今年のお正月映画として家族で観に行ってきた。
今回の感想ではトリックや犯人などの最重要事項についてはネタバレしませんが、予告編では明かされていない設定ついてのネタバレがあります。(どうしても感想を書くにあたって触れざるを得ませんでした)
「ネタバレされるのは絶対に嫌ぁぁっ」って方はご遠慮ください。
屍人荘の殺人
屍人荘の殺人 | |
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監督 | 木村ひさし |
脚本 | 蒔田光治 |
原作 | 今村昌弘『屍人荘の殺人』 |
製作 | 臼井真之介 |
製作総指揮 | 山内章弘 |
出演者 | 神木隆之介 浜辺美波 葉山奨之 矢本悠馬 佐久間由衣 |
音楽 | Tangerine House |
主題歌 | Perfume『再生』 |
あらすじ
主人公は神紅大学ミステリー愛好会のメンバー葉村譲。葉村譲は明智恭介の相棒として、活動しており、葉村譲と明智恭介は神紅大学のホームズ(明智恭介)とワトソン(葉村譲)と呼ばれれていた。
葉村譲と明智恭介は、剣崎比留子に誘われ、神紅大学のロックフェス研究会夏合宿に参加することになる。
ロックフェス研究会の合宿は昨年度、行方不明者が出ており、部員に宛に脅迫状が届いていた。葉村譲、明智恭介、剣崎比留子の3人はロックフェス研究会に起こる事件に巻き込まれることになる。
ロックフェス研究会の合宿はOBが所有する紫湛荘(屍人荘)と呼ばれる豪華な洋館で行われるのだが…
殺人事件ではあるけれど…
私は『屍人荘の殺人』は映画の予告編を観ただけで、それ以上の情報を何1つ知らない状態で観賞した。
なので「ドタバタコメディ的なミステリーなんだろうな」と予想していたのだけど、予想とは全く違う方向に話が進んで驚かされた。
『屍人荘の殺人』はミステリー映画である前にゾンビ映画だったのだ。
ロックフェスでゾンビが繁殖し、紫湛荘(屍人荘)の人達はゾンビに囲まれ、孤立する。
映画がはじまった時に「合宿する洋館は紫湛荘って書いてるのに、どうして題名が『屍人荘の殺人』になってるんだろう?」と不思議に思っていたけれど屍人(ゾンビ)と言う意味だったのだ。
「ゾンビ映画だなんて聞いてないよ~」と言う気持ちで一杯になってしまったけれど、ホラーが苦手な人でも耐えられる(であろう)レベルの軽いゾンビ映画なので、グロ耐性は無くても大丈夫。
とにかく楽しい殺人映画
『屍人荘の殺人』はゾンビと殺人事件をゴチャまぜにしたことで、残虐な感じがマイルドになっている…ってことに感心してしまった。
人を殺すって、普通じゃないしゾンビが人に噛み付いたり、ゾンビを突き刺してトドメを刺す(脳を破壊すれば死ぬ設定)なんてことは、普通に考えると残酷だしグロい描写になるはずなのだけど「ゾンビ+殺人事件」と言う突拍子もない設定なので、残虐さがマイルドになっている。
また、登場人物の設定や台詞まわしが漫画っくち言うか、アニメちっくな感じなのも良かったと思う。
『屍人荘の殺人』はゾンビ映画とも言えるし、ミステリ映画だとも言えるけれど、コメディ映画でもあるのだ。
普通の感性で観てしまうと、グロいだろうし倫理的にも耐えられない部分が出てきそうなものなのだけど、ワーワー言っているうちに話がどんどん進んでいって退屈する瞬間が全くなかった。
可愛い女の子とイケメン
日本には「ただしイケメンに限る」とか「ただし美女に限る」なんて都合の良い言葉があるけれど『屍人荘の殺人』もイケメンと美女(可愛い女の子)あってこそ…の作品だと思う。
キャラクター設定が強烈なので、正直言って演技力のない人が演じても問題ないと思う。
大切なのは顔! 可愛さ! イケメン度!
主演の神木隆之介はクセの無い今風のカッコいいイケメンだし、ヒロインの浜辺美波も可愛らしかった。絵的に良いコンビ。『屍人荘の殺人』の主演カップルは作品を盛り上げる上で最高だったと思う。
神木隆之介、浜辺美波のファンなら観ておいて損はない。
『TRICK』が好きだった人にオススメ
『屍人荘の殺人』の監督、木村ひさし監督は仲間由紀恵が出演していた『TRICK』シリーズの堤幸彦監督の元で助監督をしていた人。脚本の蒔田光治も『TRICK』の脚本にも参加している。
『TRICK』のドタバタ感と言うか、ちょっとフザケた漫画ちっくな世界観が好きだった人なら『屍人荘の殺人』を間違いなく楽しめると思う。
逆に『TRICK』のフザケたノリが嫌いな方にはオススメ出来ない。大人が本気で真面目に観る作品ださ思って観るとガッカリすること請け合いである。
お正月らしい楽しい作品
「感動した~」とか「最高だった~」と言えるようなタイプの作品ではなかったけれど、お正月らしい楽しい作品で満足した。
ちなみに、ロックフェスでどうしてゾンビが繁殖したかについての謎は投げっぱなしになっているので「もしかして続きを作る気なのかな?」なんて事を思ったりする。
若い役者さん達の元気さが光るドタバタ楽しい作品だった。
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