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再読のススメ。

妊娠中のトラブルで、2ヶ月ほど自宅で安静生活した。「食事とトイレ以外は寝て過ごしなさい」という制約の中で出来るだけストレスを感じずに過ごすのは、自分の好きなことをするに限る。私の場合は1番の趣味が読書なので「これは楽勝だなぁ」と思っていたが、当然ながら図書館にも書店にも足を運ぶことが出来なかった。手元に新しい読み物が全くなくて、飢餓状態に陥り苦肉の策として、お気に入りの作品をいま一度再読してみることにした。

もともと、お気に入りの本は何度も繰り返して読んではいたものの「毎日再読」というのは、初めての経験。2ヶ月のうち新しいインクの匂いが恋しくてたまらない時もあったけれど、途中からは諦めがついたのか、それほど苦痛を感じることもなく再読生活に浸っていた。いくら時間が沢山あると言っても手持ちの本を全て読み直すほどの時間は無いので「普段は読み辛い長編小説」を中心に読み勧めてみた。

何度か再読するようなお気に入りの本ともなると、あら筋を分かっているだけでなく、時には文章の一節を丸暗記している箇所があったりする。それだけに「再読って意味があるのかなぁ」と疑問に思っていたのだけれど、これが存外面白かった。結婚・妊娠という大きな出来事を経験したせいか、物の見方や価値観が大きく変化していたらしく、はじめて読むような錯覚を覚える作品さえあった。年齢を重ねたことによる変化もあったと思う。前回読んだ時は、主人公と同じ目線で話を追っていたのに、今回は主人公の親の目線になっていた……なんて事もあった。

読書というのは、端から見ていると地味すぎるほど地味な趣味だと思う。そして、本を読んだからと言って何か良い事(スポーツだったら没頭している間に健康になっていた…なんてこともあるだろう)がある訳でもない。だが、1冊の本を長い年月をかけて味わい尽くすことが出来るのなら、これほど有意義な趣味は無いように思う。

たまには腰を据えて、気に入った作品を再読するのは良いものだ……と思った。

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白い木蓮の花の下で
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