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絹扇 津村節子 岩波書店

仕事を持つ女シリーズ……と私が勝手に名付けている作者お得意のパターンの小説だった。福井県の絹織物に従事する女性の半生。そこそこ面白かった。同じ系列の作品で福井を舞台にした『炎の舞』や『はながたみ』に較べれば、いささかパンチが弱い気がしたけれども、主人公の生きた時代を思えば、仕方がないかと思ったりも。

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絹扇

白羽二重で知られる福井の絹織物業を陰で支えた機織りの女性たち。

明治21年生れのちよは、7歳で家業を手伝い、そのために学校も満足に通えなかった。

美貌と機織りの腕を見込まれ、名家の次男に嫁ぐが、夫にはちよの知らない秘密があった。優しく献身的なちよに降りかかる苦難の数々。

貧しくとも情感豊かな庶民の姿と、機織りに生きる女の半生を福井の産業史に重ねて描く秀作。

アマゾンより引用

感想

ひたむきに働く女の姿に胸を打たれた。仕事を愛し、家族を愛するヒロインの姿は、どこにでもいる日本人女性の姿に通じるとろがある。

長女であるという背責任感の強さや、夫の愛人にも同情を寄せてしまうお人良しさ加減は、朝の連続TV小説のヒロインクラスだと思う。

こういう人が日本という国を支えてきたのだと思うと心が熱くなった。

ただ、今回の場合はヒロインに心を寄せる「倉田」の存在は余分だったと思った。

津村節子の作品には「報われないヒロインに惹かれる男が必ずといっていいほど登場する。

これまでの女達が独身だったのに対して、この作品のヒロインは2人の実子と、夫の愛人の子ども2人を育てなければならない身の上なので倉田の存在は、あまりにもご都合主義的な気がした。

苦労したヒロインに華やぎを添えたいというのも分かるし、子供が愛の妨げになるとも思わないのだが、あまりにも唐突といえば唐突過ぎる。

なんだかんだと不満が残った作品ではあるが、このテのタイプの時代めいた小説を地味に手堅書いてくれる女性作家さんは貴重な存在だということで、点数を付けるなら高得点かなぁ。

田舎の風習(葬儀、出産等)などが克明に描かれていたのも良かった。

小説らしい小説……という意味では良い作品だと思った。

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白い木蓮の花の下で
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