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映画『武士の家計簿』感想。

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夫と『武士の家計簿』をケーブルテレビで視聴した。

私達がこの作品を観るのはどうやら2回目らしい。途中まで観て「あっ、この作品観たことある!」と気がついたのだけど「もう1回観てもいいかな」と思える面白さだったので、最後まで視聴。

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武士の家計簿

武士の家計簿
Abacus and Sword
監督 森田芳光
脚本 柏田道夫
製作 元持昌之、岩城レイ子、三沢和子、真壁佳子、池田史嗣
製作総指揮 原正人
飛田秀一
豊島雅郎
野田助嗣
出演者 堺雅人
仲間由紀恵
音楽 大島ミチル
ザックリとこんな内容
  • 主人公は代々加賀藩の御算用者(経理係)である下級武士。
  • 主人公一家は親戚付き合い、養育費、冠婚葬祭と、武家の慣習で出世の度に出費が増え、赤字家系に転落していた。
  • 主人公一家は家財を売り払い、家族一丸となって倹約生活を実行していく。
  • 世間体や時流に惑わされることなく、つつましくも堅実に生きた猪山家三世代の物語。

感想

主人公の猪屋家が体験した貧乏節約生活。

時代は違うものの、私自身が独身時代に経験した事と全く同じなので「ああ。そうそう。だよね~。分かる~」と熱くなってしまった。

私の場合は父が経営した会社が潰れたのが一家転落のスタート。持ち家を売り払い、2度も引越しした経験があるけれど、引っ越しのたびに家が狭くなり、引っ越しのたびに、ありとあらゆる物を売り払った。

見栄や対面を重んじる人に「全てを捨てて節約しろ!」と強制することの大変さったらない。すでに貧乏になってからの生活の方が長いと言うのに、実母はいまだ金銭感覚が変なところがある。

堺雅人演じる主人公はホントよく頑張ったと思う。

……と。私の思い出話はさておき、映画の感想など。

実のところ、改めてしっかり観ると、物語の雑さが目についてしまった。

この映画は「御算用者として生きる飯山家三代の転落とお家復興の物語」なので「それ以外の事はどうでもいいんだよ」と言ってしまえばそれまでだけど、それにしても雑なところが多過ぎる。

  • 突然の結婚からの出産。勢良すぎる子どもの成長!
  • いつの間にか嫁いでいなくなっている1人娘!
  • 主人公の老化が年に見合っていない問題!
  • 親子の絆がテーマっぽいけど、ちゃんと描けてなくないか?

じっくり観ていると「えっ? ちょっと待ってよ」と思ってしまう部分が多いのだけど、物語がどんどん進んでいくので細けぇ事を気にしてはいけない。

時代劇を観る場合、どうしても現代の考え方とはズレが出てくるは仕方がない。

ガチガチの時代劇だと「時代が時代だからなぁ」と受け入れるのだけど、『武士の家計簿』の場合、物の見方やかんがえを微妙に現代的にアレンジをしているために違和感を覚えてしまうかも知れないけど、そこは目をつぶっていくところだろう。

仲間由紀恵は美人だし、堺雅人のアルカイックスマイル的な笑顔は魅力的。時代劇ではあるけれど、そこはかと漂う向田邦子的ホームドラマの香りは悪くない。

働く若年層の年収が上がらないと言われている今の時代だからこそ「節約しようぜ!」「人の目とか気にせず身の丈に合った暮らしをしようぜ!」と言うテーマは良いと思う。

2010年に公開された映画なのだけど、10年近く経った今見ても、十分通用する作品だと思う。

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