娘と2人で松竹座で公演しているOSK日本歌劇団『春のおどり』を観に行ってきた。
私は元々、宝塚は大好きだけど、OSK日本歌劇団の公演は観たことがない。「子どもの頃、あやめ池遊園地で公演してた歌劇団だよね?」くらいの印象。
ペア招待券を戴かなければ観に行く事はなかったと思う。
OSK日本歌劇団『春のおどり』
たぶん宝塚かそう言うのが好きじゃない人だと「OSK日本歌劇団って何なの?」くらいの話だと思う。
私が子どもの頃は「宝塚遊園地では宝塚歌劇。あやめ池遊園地ではOSK」みたいな感じだったのだけど、調べてみるとなんだか大変な歴史を背負った歌劇団だった。
OSK日本歌劇団(オーエスケーにっぽんかげきだん)は、日本の劇団。宝塚歌劇団・松竹歌劇団(SKD)と並ぶ三大少女歌劇のひとつ。
1922年(大正11年)4月、松竹楽劇部(前身)として創設された。
2003年(平成15年)5月に一時解散したが、同年8月からの団員有志による「OSK日本歌劇団存続の会」として実質的に活動を継続し、翌年4月に「New OSK日本歌劇団」として再結成。2007年に再び「OSK日本歌劇団」に改称し現在に至る。
wikipediaより引用
かつては三大少女歌劇として人気があったようだけど、不遇の時代を経て、ここ10年で盛り返してきた歌劇団とのこと。
公演当日に感じた雰囲気
私が最後に松竹座に行ったのは10年以上前のこと。松竹座には劇団☆新感線の芝居だの、歌舞伎だのを観に行った事があるので、ある意味「勝手知ったる」って感じ。
「歌劇だから宝塚っぽい雰囲気なのかな?」と思っていたけれど、観客の年齢層は高めで宝塚よりも歌舞伎よりの雰囲気だった。
松竹座なう。OSK観るのは初めて。マダム感溢れる空間は宝塚とは違った雰囲気。 pic.twitter.com/eK8thYLFMW
— 白蓮@ゆらら (@yurarra) 2019年4月20日
大阪、ミナミのド真ん中と言う立地条件が良いのか、高齢者の姿が目立った。「女の花園」なのは宝塚と同じ。
午前スタートの公演で、外でお昼ご飯を購入して劇場へ。
松竹座には食事をする施設もあるけれど、幕間30分でレストランに移動して、注文して席に戻ってくるのは小学生の娘には厳しいだろうと予測して、あらかじめ食事を買っておいたのだけど、それについては正解だったと思う。
公演を観ての感想
『春のおどり』は2部構成。前半が和物で後半が洋物。
- 【第一部】春爛漫桐生祝祭(作・演出・振付 山村友五郎)
- 【第二部】STORM of APPLAUSE(作・演出・振付 平澤 智)
宝塚だと前半お芝居、後半レビューみたいな構成になる事が多いけれど、今回の公演は両方レビュー。
春爛漫桐生祝祭
宝塚もそうなのだけど、私は和物よりも洋物が好き派。だから、どうしても和物の感想は厳しくなってしまうのだど、宝塚の和物と較べると、大衆演劇感が強い印象を受けた。
個人的には「ゴメン、ちょっと無理」な演出とノリ。ただ、これについては観客の年齢層を考えると「あえて」なのかも知れないな…と思った。母や義母が観たら間違いなく喜ぶ演出。
外国人観光客を意識した構成なのか「祭り」を意識していたり、新体操のリボンのように大きな布をヒラヒラさせる演出があったりして、「あ。これ絶対、外国人好きなヤツ!」と確信した。
STORM of APPLAUSE
お昼を挟んで洋物レビューへ。
私は断然、洋物推し。前半感じた大衆演劇感が無くて「ああ…これが私の知ってるキラキラレビュー」って感じだった。
宝塚との決定的な違いは「トップスターとその他大勢」と言う形での舞台構成。
宝塚の場合「トップと2番手の絡み」とか「トップと娘役の絡み」でドキドキさせる見せ場があるのだけれど、OSK日本歌劇団の場合はペアでの見せ場はお義理程度しかなくて、トップスター至上主義な気がした。
個人的にはペアで絡んだ踊りが好きなので、ちょっと残念な気がしたものの、歌劇団にも流派みたいなものがあるのだろうな…と言う事で納得した。
そして私は基本的に歌好きなので、歌を楽しみにしていたのだけど、歌については正直微妙。宝塚とはレベルが違う。
ただ、娘役さんの中に1人だけ飛び切り上手な人がいたのは気になった。初めてのOSK日本歌劇団鑑賞なので、私が感じた「飛び切り上手い人」が誰かについては不明。
カーテンコールの時に「ピンクのパラソル」を回す演出があるのだけど、可愛らしくて、とても良かった。宝塚で言うところの「シャンシャン」的な小道具なのだと思う。
11歳の娘も楽しめました
今回は11歳の娘を連れて行ったものの、実際に見せるまでは「娘にも楽しめるのだろうか?」と不安で一杯だった。
何しろ娘は先月までガチで体操を習っていた体育会系女子。
『ディズニー・オン・アイス』に連れて行っても「面白かったけど、来年はいいかな?」と言っちゃうタイプ。
「レビューなんて面白くないかもな…」と思っていたけれど、意外と楽しんでくれていた。
もしかしたら娘は物語重視のミュージカルより、場面展開が早いショー形式の方が好きなのかも知れない。
まさかの体育会系トップスターだった!
『春のおどり』は桐生麻耶のトップスターお披露目公演だったらしい。
私は初めてのOSK日本歌劇団だったので、それまでのトップの人がどんな感じだったのかは知らないけれど「ここのトップの人…なんだか、やけにガッツと体力あるよね…」と気になっていた。
何と言うのかな…宝塚のトップスターと較べると地味な感じは否定できないのだけど、力強い感があって「今までにないタイプだな」と言う気がした。
帰宅して調べてみたところ、桐生麻耶は東京女子体育大学中退。陸上でインターハイ2位の実績を持つ元体育会系の人だった。
体操を辞めて、新しい生活を模索している娘が元体育会系のトップスターお披露目公演を観るだなんて、なんと言うめぐり合わせ!
招待券を貰わなければ観なかった公演にこんな縁があっただなんて。
トップスターとしての今後の活躍を陰ながら思ったりした。
ありがとう。そして、ありがとう。
表現は悪くて恐縮だけどOSK日本歌劇団って、関西在住の舞台好きの人からすると「宝塚歌劇団に入れなかった人の行くとこ」みたいな認識がある。
だけど実際に舞台を観てみると、OSK日本歌劇団は宝塚歌劇団とは方向性が違う気がした。
どちらが良いとか悪いとか。そう言う次元の話じゃない。むしろ、どちらも頑張って欲しい。
OSK日本歌劇団はOSK日本歌劇団の良さを保ちつつ存続して、愛されて欲しいと思う。
ありがとう。そして、ありがとう。私も娘も楽しませて戴きました。