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ノブレスオブリージュの精神を持った人。

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先日、30年以上可愛がってもらっている年長の友人にお洒落中華料理をご馳走になってきた。ここから先は「なんか意味が分からない話」になるのだけど、お暇な人はちょっと付き合って欲しい。

まずは経緯から。ことの発端は職場の先輩後輩だった。私の10歳上の先輩のAさんからスタートする。Aさんとは趣味が合うことから仲良くなった。そしてAさんを通じて、Aさんの友人で同じ職場の別部署で働くBさんと仲良くなった。AさんとBさんは共通の友人であるCさんを紹介してくれた。

そして30年。Aさん、Bさん、Cさんの3人と私で食事に行ったりする関係が続いている。

ちなみに私と直接的な関係があったのはAさんだけで実のところBさん、Cさんについては、一緒に働いた訳でもなくて「共通の趣味がある」と言う程度の接点しかない。だけど30年以上に渡って、Aさん、Bさん、Cさんの3人は私を食事に連れて行ってくれたり、プレゼントをしてくれたりする。「年の離れた姉が妹を猫可愛がりする」みたいな関係。

夫と結婚した当初、Aさん、Bさん、Cさんと私の関係を知らなかった夫は「いったい、あの人達とどういう関係なの? 白蓮さんは何かあの人達の弱みでも握ってるの? どうしてこんなに良くしてくれるの?」と不思議がっていた。だけどそう聞かれたところで、私自身、なんか意味が分からないまま可愛がられ続けていて「どうして彼女達が私を可愛がってくれるのか?」については意味不明だった。

先日も「Cさんのご招待」ってことで、ランチにお呼ばれしてきた。お洒落中華でお値段は不明。調べれば分かりそうなものだけど「お店にお願いして設定してもらったコース」とのことで、メニューには記載されておらず、私はランチ代がおいくら万円なのかも分からないままだった。

AさんとBさんは経済的なところに問題はなさそうだけど特別お金持ちって訳じゃない。しかしランチをご馳走してくれるCさんはひと言で言ってお金持ち。考え方から何から何まで格が違う。毎度、お会いするたびに「凄い人だなぁ」と思っていたけど、先日のランチの時に聞いた話の中で妙に納得することがあった。

Cさんは独身で現在はお母様と2人暮らし。大変気前の良い人で「親戚の子」にも気前よく色々買ってあげちゃうタイプ。「人に何かしてあげる」って時、人間はどうしても見返りを求めてしまう。例えその時は見返りなんて考えていなかったとしても、例えば……可愛がっていた人が寄り付かなくなったりした場合「あんなに可愛がってやったのに」と思いがち。

だけどCさんにはそういうところが全くない。「他所の子を可愛がらせてもらっている」「可愛いから可愛がる。ニコニコ慕ってくれるだけで良いじゃない」みたいな発想なのだ。

Cさんの亡くなったお父様もそういうタイプの人で、周囲の人達からめちゃくちゃ好かれていた。たぶんCさんもお父様と同じタイプ。本当の意味(ヤクザ映画じゃなくて)での「ゴッドファーザー」「ゴッドマザー」って感じ。血の繋がらない人でも父や母のように無償の愛を与え続けている。

ヨーロッパ発祥の道徳観にノブレスオブリージュって考え方がある。財産、権力、高い社会的地位を持つ者は、それに応じた社会的責任と義務を果たし、弱者を保護すべき……と言うもので、本当のお金持ちにはノブレスオブリージュの精神を持った人が多い気がするけれど、Cさんも完全にそのタイプ。

もしも来世があるとするなら、Cさんは間違いなく人間として生まれてくると思う。それもすごく恵まれた人間に。これだけ徳を積んでいるのだもの。人間以外に考えられない。

私はAさん、Bさん、Cさんからは猛烈に可愛がってもらっているので何かの折には出来る範囲でお返しするようにはしているけれど、どう足掻いたところで「してもらったことと同じ分量のお返し」なんて到底できない。なので最近は同じ分だけのお返しなんて考えは諦めて別の人(とくに自分より年下の人)に返していこうと思っている。実際、それくらいしか出来ないし。

親友のFにそんな話をすると「不思議と徳の高い人って本当に不幸な目には合わないんだよね。ちゃんと良いことがやってくる」と言っていた。実際、Cさんのお父様は90歳を越えてお元気だったし、幸せな亡くなり方をしている。

ノブレスオブリージュの精神を持っている人は幸せになってしかるべきだと思うし、自然とそうなっていくのかも知れない。私には到達できるような世界ではなくて仰ぎ見るしかできないけれど、せめて感謝の気持ちは忘れないようにしたい。

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